今日の一句

 桜とは光の見せる美しさ 終風

 幼子の知恵を聞かんか花祭り 終風

 人は何故仕事をするか花曇り 終風

 少年の背の哀しさや春霞 終風

 デルヴォーの夢の駅から桜雨 終風

 満開の桜戦後という時代 終風

 風に舞う桜やゼノンの矢も止まる 終風

 花曇り父の世代の本を読む 終風

馬鹿と言う者が馬鹿なり四月馬鹿  終風

 近代の日本の桜という物か 終風

 徒に生きて一人の花見かな 終風

 幾千年この土地に住む黄砂舞う 終風

 袴垂何処から帰る花曇り 終風

 黄の花が咲くあの村とこの町と 終風

 桜咲く下天のうちを比ぶるに 終風

 色薄き菫群れなす川の縁 終風

 砂塵舞う春風に立つQUO VADIS 終風

 食うほどに土筆取りたし野を想う 終風

 桜待つしばしの日々の不安なり 終風

 春分の日の夕刻の白さかな 終風

 春分の川の向こうの遠い山 終風

 連翹の黄の色強く我は弱い 終風

 蕗の薹旨し幸福なるこの夕べ 終風

 春風に黄砂のことを思い出す 終風

 雀らが軽やかに舞う三月半ば 終風

 静かなる細き声あり沈丁花 終風

 僅かなる春の雪なり人は行く 終風

 寒風に桜のつぼみが愛おしい 終風

 三月の半ばの何が懐かしい 終風

 パンジーの植え込み女に耐えている 終風