音無響子のおもひで

 メゾンをリアルタイムで読んでいた私としては……略。
 音無響子の一番印象深いのは、PIYO PIYOの胸で玄関先をぷんぷんして竹箒で無意味に掃いているところですな。ま、微妙な嫉妬というか。あれが、微妙にエロティックだった。
 高橋留美子のあの時期も関連しているのだろう。O島ぁ。
 音無響子は人妻として描かれているわけで、その性の陰影がいつもあった。(髪が重く、なんというか、こもった感じのMenstruationの匂いのような。)
 それに、五代裕作をどう拮抗させるかというドラマツールギーに高橋留美子の問題意識があり、っていうか、五代裕作が童貞じゃだめなんですよという高橋留美子の苦悩があったのだが、そのあたりが論評されてのを見たことなし(あるか?)
 そいで、五代裕作をソープに突っ込む。
 これがリアルタイムで読んでいるとちょっとした話題というか読者一部騒然。
 ただ、このとき、最後に五代裕作音無響子のカラミをやるなという印象あったワクテカ
 ぼっけもんとかもあったし。青春の門とかもそうだけど、純愛が初めてのカラミへ……というのは80年代的叙情のテーマでもあった。
 そういえ⇒http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E7%84%A1%E9%9F%BF%E5%AD%90
 音無響子の設定は1959年生まれ。
 ま、私が若いころの数少ないお相手さんと同じくらい。というか、ま、リアル……略。
 ほいで。
 設定では、元人妻27歳で、二人目の男とカラミ。ま、微妙なところ。っていうか、女性の性の成熟ということがこの物語の隠れた(でもないか)テーマで、この物語は、ある意味でフェミニズムの物語でもあるのだが……五代裕作という新しいタイプの男を女の性の成熟から生み出す物語なのだが……略。
 かくして音無響子は30歳ちょい前で初子をなすのだが、ま、私の世代はこんな感じ。
 ほいでリアルタイム私の世代はその30代ちょいさきで、ばたばたと討ち死にするように離婚していった。
 私は……ま、私なんかどうでもいいけど、まだアカデミズムの中に頭半分つっこんでいたし、失恋で廃人というかネットとかしていたわけで、こう言われると嫌だろうというかキモスがられるだろうけど、はてな系先行みたいな30代前半だった……が、今思うと幸いというか、オヤジが死んでくれたおかげで苦労したよ。
 そんなことはどうでもよい、と。
 ちゅらさんはメゾンのパロディなんで、あれま、とか思った。ってな感じで、あの時代の空気が消えて物語は別の色合いを持つようになった。
 まいったなと思う。
 五代裕作がソープに行ったというのが今日もっとも強調されねばならない時代とあいなったので、義憤に感じ、この文章を記す。finalvent 49歳。