日経社説 反民営化の野党合意は筋違い

 民主党が郵政票を目当てに反民営化を掲げるのは、主張の一貫性を欠く。郵政民営化の原点は「官から民へ」である。政府の信用を盾に郵貯などが巨額の資金を集め、「出口」の財政投融資を肥大化させたことに、国民は強い拒否反応を示した。
 小沢代表は次期衆院選に向けて、特殊法人特別会計の「原則廃止」を明言した。最低保障年金や農家の戸別所得補償などの財源も、官のスリム化によって「十分に出てくる」と語った。官業肥大の象徴である郵政事業の民営化を逆戻りさせるのは明らかな矛盾であり、改革政党どころか守旧政党と呼ばれても仕方がない。民主党には前原誠司副代表など、票を目当てにした国民新党との連携に疑義を唱える勢力もある。
 地域の郵便サービスが低下したとの声に配慮は必要だが、まずは日本郵政が独自で取り組む郵便局の業務改善策や、政府の郵政民営化委員会で向上を目指すべきだ。民営化を後退させるのは筋違いではないか。

 もう私は、只管脱力、ですよ。