日経社説 09衆院選 政策を問う 郵政改革の後退がもたらす損失に目を

 民主党中心の政権になり金融株の売却を凍結、17年9月末までに終える計画だった市中売却を遅らせれば政府の関与がそれだけ長く残る。「資金の流れを官から民へ変える」という郵政改革の根幹を揺るがす。
 自民党も4分社維持を明記しながら「郵便、貯金、保険の一体的なサービスを確保する」と路線の修正をにじませる。佐藤勉総務相が4分社化の見直しに触れるなど郵政票の離反を意識した動きもある。自民の民営化の筋書きも極めて不鮮明だ。
 着実な郵政の民営化は経済の持続的な成長に不可欠である。政府の信用を後ろ盾に巨額の資金を集め、非効率な事業や公共投資などにつぎ込んだ官製金融の限界は明らかだ。地方の利用者への目配りは必要だが、郵政事業を効率化しなければ国民全体が負担するコストは減らない。
 巨額の郵貯簡保資金の大半が国債に回る現状も徐々に変えなければ日本経済の構造は改まらない。自民民主とも郵政改革の後退が将来の日本にとって大きな損失になるということを忘れないでほしい。

 忘れるでしょ。失ってから後悔するしかないんじゃないのか。