50歳目前に思う教育っていうか

 私は結局学問的には大成しなかったが、30歳くらいまではけっこうアカデミックに勉強していた。けっこうというのはいろいろ含みがあり、単純にいえば、25歳以降は自由に好き勝手な勉強というか関心の探求が増えた。
 それがいろいろあって30代前半には学究的な領域からは離れた。
 こういう言いかたもなんだが、ただ、勉強癖みたいのだけが残った。私を比較的よく知る人は、またなんか勉強してんの?とか言う。ま、ほかにたいした趣味もない。
 知識というのは、そのフレームワークが時代とともに変わる。アカデミックな領域もけっこう流行というのがある云々。で、知識というのは時代とともに廃れる。新刊書と似ている。あと、酒とかいわゆる男の趣味みたいのは、時代とともに腐る。ブログなんかで男の趣味みたいなものを披瀝している人はその腐臭に気が付かないのだろう。
 50歳目前に思うのは、教育のなかで、何が残ったかな、と。
 語学は残る。もちろん、衰えるけど。
 文学は残る。文学にもよるけど。
 漢籍・古典は残る。これに突入するほどではないけど。
 文献学は残る。これはちと難しい。
 数学・科学知識は微妙。数学など時代に影響されないかのようだけど、うまく言えないがそうでもない。
 科学知識はまさに時代で変わる。
 単的に言って、聖書は残る。私の人生はたまたまよく聖書を読む人生であった。が、これは人にもよるのだろう。私の場合はキリスト教信仰には結びつかないせいもあるだろう。
 ハイテク技術みたいなものは、まるで残らない。むしろ、忘れていくほうがいい。
 ほかに?
 身の回りのこと、料理、掃除、みたいな、あるいはお金の扱い方、これらは、生きていく基本なんだが、なかなか本とかでは学べない。でも、これは確実に残る。
 音楽のテイストも基礎が必要になる。これは人生を生きる愉しみとかの部類。
 ダンスとか身体的なもの、スポーツもかな、これはものによりけり。水泳とかきちんとフォームができてると楽しい。
 ま、若い人っていうか30代ちょいくらいの人に教訓的に言えそうなのは、語学と古典かなというつまんないことになりそうだ。でも、50歳くらいまで長持ちするようには思う。