今日の大手紙社説
小沢辞任の意味は深いが大手紙としては特段長い社説をあまり書くべきではないというか、朝日と読売はどうかしているよ感はある。
とはいえ、朝日も読売も社説はそうはずしていない。どちらも小沢を結局は大政治家として見ているというか、私のようなシンパは広く存在しているようだ。ということは、小沢はまた立つと思う。私は小沢はこれで終わりかなと思ったが、一晩思ってはっと気が付いたことがあった。小沢はすごいなと思う。
産経社説のキレがいい。というか、他紙もそうだがキレがいい社説がほつほつと現れる。日本の新聞は総じて見ればよくなっていくのではないか。
ところで小沢がくさした「朝日・日経以外」だが、読売は紙面のほうで一面で泡食った反論というか醜態をさらしていた。反論になってない。
と同時に、朝日と日経を読売から分離するということか、なるほどねと思った。
ちなみに、読売は爆走中。
⇒党首会談で「小沢副総理」一度は合意、17閣僚の配分も : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
日経社説 パキスタン緊迫を憂慮する
特に目立った視点はないが、この社説をきちんと載せる日経は立派、と。
産経社説 大連立論 まず国益ありきが前提 民主党は成熟政党に脱皮を
この数日というかこの問題については産経社説のキレがいい。なぜだろうか。なんか情報を持っているのかもしれないが。
それにしても不可解なのは、参院選を大勝に導いたことで求心力を強め、衆院選を経て政権交代を目指す方針を明確にしてきた小沢氏が、なぜ今になって自民党との大連立論に乗ろうとしたかである。会談の席上、拒否しなかった点について、党内でも不満や疑念が生じている。
小沢氏は、小選挙区制導入を中心とした政治改革をめぐり、自民党を飛び出して非自民政権樹立などに動いた張本人である。
長年、政権交代の必要性を訴えていたことを考えれば、党首会談に応じることがあるとしても、連立論を検討すること自体に違和感がある。7月の参院選で、民主党に第一党の地位を与えた民意と矛盾する行為だと受け止められることは、小沢氏自身がもっともわかっているはずだ。
詳細は発表されていないが、党首会談では自衛隊の海外派遣のあり方を普遍的に定める恒久法に関し、首相と小沢氏との間で大きな歩み寄りが生じた可能性がある。
それ自体はきわめて有意義だが、十分な説明がなされないまま、ストレートに大連立論につなげようとすることにも無理があろう。
重要なのはこの歩み寄りだろう。
さて、さくっと私の見解を述べると、これは福田と小沢のウラで、中国が動いたのではないかな。もちろん、米国は動いている。脅しはあるだろう。でも、二人は対中である結束ができたように見える。その路線は意外と現実的なんで米国の一部でも賛同者は出るだろう。とすれば迂回して次は自民党にさらなる激震が来る。
読売社説 小沢代表辞意 それでも大連立を目指すべきだ
今回のドタバタのヒール読売はなにをほざくのか、というか、紙面のほうの一面に小沢からの批判に泡吹いて反論を掲載しているあたりが滑稽なのだが、が、社説はというと、そうひどくもない。読売としても今回のご老体暴走は嫌だったのではないかな。
小沢代表によれば、国際平和活動に関する自衛隊の派遣について、福田首相は、「国連安全保障理事会もしくは国連総会の決議によって設立、あるいは認められた国連活動への参加に限る」とする見解を示したという。
小沢代表は、海自の給油活動は、国連決議の明確な裏付けがなく、憲法違反として、反対してきた。福田首相の見解に対し、「国際平和協力の原則」を確立する根本的な“政策転換”と受け止め、これだけでも「政策協議開始に値する」と判断した、としている。
小沢代表の考え方は、従来の政府の憲法解釈とは相いれない。一方で、政府の憲法解釈は、今日の国際平和活動の実態にそぐわなくなっている。国際平和活動のあり方で、与党と民主党が一致すれば、大連立の重要な基盤となる。大いに論議すべき問題である。
これは小沢が正しいと私は考えている。
社説の結語はメルケルに流れているが、現状のドイツを知っている者からすれば苦笑という以外はないだろう。
今回のどたばたで、読売がひどかったし、れいの朝日・読売・日経同盟がかなりひどいことになったかというところで、あ、なるほどね、それで、小沢さん朝日と日経と名指ししたわけだな。
追記
ネットにもあった⇒小沢氏は真実を語れ : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
ある意味、歴史的な資料なので全文引用。
小沢氏は真実を語れ
小沢辞任
実に理解に苦しむ発言である。
民主党の小沢代表は4日の記者会見で、辞任表明に続けて報道機関への批判を展開した。「私の方から党首会談を呼びかけたとか、私が自民、民主両党の連立を持ちかけた」などの報道は「全くの事実無根だ」というのだ。
党首会談は小沢氏の方から持ちかけたもので、「大連立」構想も小沢氏の提案だった、といった点は読売新聞も報道した。小沢氏の批判がこれを指すのであれば、「事実無根」などと批判されるいわれは全くない。
いずれも首相周辺をはじめ多くの関係者が証言しており、確実な裏付けを取ったうえでの報道だ。
小沢氏は「どの報道機関からも取材を受けたことはない」とも反論している。しかし、「大連立」について、小沢氏は「考えていない」と記者団に答えていた。党首会談後も、そのやり取りをほとんど明らかにしようとしなかった。
報道内容を否定しなければ、小沢氏の党内での立場が苦しくなるという事情があるのだろうか。それにしても、「(報道機関は)政府・自民党の情報を垂れ流し、自ら世論操作の一翼を担っている」「明白な誹謗(ひぼう)中傷」などという認識は、全くの誤りである。
「ねじれ国会」で行き詰まった政治状況を打開するための「大連立」について、小沢氏は記者会見で「あえて民主党が政権の一翼を担い、参院選を通じて国民に約束した政策を実行」することが「民主党政権を実現する近道」とも強調した。その意義をもっと早く説明し、党内の理解を得る努力をしていれば、違った展開になったかもしれない。
報道機関が「逸脱」しているというのなら、どこがどう逸脱しているのか、具体的に指摘すべきである。
代表辞任を今回の政治的混乱に対する「けじめ」と小沢氏は語ったが、連立政権の意義と合わせて真実を自ら語ることこそが、本当の意味での「けじめ」になるのではないか。(政治部長 赤座弘一)
(2007年11月5日1時35分 読売新聞)
朝日社説 小沢代表辞意 「政権交代」は偽りだったのか
朝日の言い分はわかるな。この執筆子は私の考えにかなり近い。
確かに、小沢氏の説明通りだとすると、国連のお墨付きがある場合にのみ自衛隊を海外に派遣するという恒久法は、首相にとっては大きく妥協したものだろう。日米同盟も踏まえ、国連外の行動にも余地を残したいというのが自民党などの考え方だからだ。首相は大連立ができるなら、給油再開の新法成立にはこだわらないとも述べたという。
「私個人としては、これだけでも連立に向けた政策協議をはじめる価値があると判断した」と小沢氏はいう。恒久法の論議としては重要なポイントではある。だが、その問題と大連立をセットにして「イエスか、ノーか」と迫るのは、あまりに議論を単純化している。
小沢氏が本気で海外派遣の恒久法をつくりたいのなら、まず民主党内をまとめ、そのうえで法案を出すなり、政府与党と協議するなりすればいい。いきなり大連立と絡めるのは筋が違う。
首相の方も、政治の安定を望む気持ちはわかるが、途中の論議を飛ばして結論を約束するのは行きすぎではないか。
そもそも両党の間には、他にもさまざまな政策で基本的な食い違いがある。何よりも小沢氏自身、政権交代しなければ日本は変わらないと言い続けてきたではないか
まあ、そういうことだ。もちろん、後段の「劣化」とかは空論だが。
現実問題として見れば、民主党内をまとめることは不可能というか社共のグリップを排除したのだろう。そのあたりから小沢辞任マンセーが出ていて面白いが、さて、彼らに今後の見通しはない。しいていえば乱世あれということかもしれないが、私は乱世はやだな。
晴天
天気図を見るとありがちの秋の日のように思えるが明日は雨とのこと。雨雲のようす見るとなるほど。
昨日は小沢騒ぎでばたばたした。しかし、これは国民が当面どうするという問題ではない。という意味で水泳をし、エントリを書いたものの、すき焼き食ってビールを飲み、読書をし、ヨガをして寝る。ま、休日だしな。
ムシャラフの代わりはたぶんいないでしょ
泥酔さん⇒2007/11/04 (日) 09:51:39 パキスタン非常事態宣言・大統領、最高裁長官を解任 : さるさる日記 - 泥酔論説委員の日経の読み方
日本国内は小沢一郎氏の話で持ちきりですが、こういう海外の重大ニュースをほとんど報じないテレビはジャーナリズムを称することを止めた方がいいと思いますね。
そこはまたくそう。
でも。
ここでポスト・ムシャラフを考えなければならないかもしれません。
理想的には、イスラム原理主義でない欧米流の思考をする政界にも軍にも睨みを利かす人物であり、国民的にも根強い人気があるのが必須でしょう。
いや、果たしてそんなスーパーマンみたいな人がパキスタンに居るのか、とも思えます。
どこかで、権力を分け合うようなスタイルでないと、パキスタン自体が持たないような気がしますが。
まずはブットということなんだけど、ここにはシャリフという問題がある。
シャリフが出るということは、短絡していうけど、国際的に核のグリップが効かなくなるということだ。
少し違うかもしれない
池信先生が熱く書かれている。という以前にWikipediaに全文入れとけ的だが、と言うまでももなく、Wikipediaの小沢の項目は重厚。
で。
熱い⇒池田信夫 blog 小沢一郎氏の終焉
私も昨日はほとんどそう思っていた。
けど、これはちょっと違うかもしれないいう気がしてきた。
Sターンか
スポンタさんの議論はミクロ的にはほとんどついていけないけど、マクロ的にはけっこう正しいなと思うことが多い。
⇒スポンタ通信2.2: Sターンはダメよ。そして、小沢一郎氏のリアリズム。
メディアのミスとか
⇒新聞は案外間違える - d.hatena.ne.jp/Mr_Rancelot/
僕でさえ、新聞を読んでいるとしばしば、「あ、これ違ってる」と気づくことがあるのだから、碩学の人であればなおのこと、しょっちゅう間違いを発見しているのだろう。
最近、とみにこういうことが増えているのは、よく言われるように日本人が劣化してきたせいなのか、単に僕がますます底意地が悪くなり、他人のミスをめざとく見つけるようになったのか、ともあれ、仮にも給料を得てその仕事をしているプロとしてはあり得ないようなミスを見かけることが多くなった。
基本的にというか数学的にというか発言が多くなればエラーの回数が多くなるというのと、チェック体制が弱いとさらにそう。というわけで、一人で比較的多数のエントリを書いている私なんぞは、すんません、だけど、つまり、そういう構造があるんで、だったら黙ってろか、ビジネスにしてチェック体制を取れということになる。
ただ、なんとなくだけど、自分の世代が50歳にもなると、自分ですら教養の薄さを嘆く(山本七平の同年の教養は彼が特殊というのもあるけどまったく及ばない)が、世間的にもそんなものなんだろう。
ただ、ランスロさんがご指摘されるように、ちょっとウィキペディアを見たら啓発されるという次元でなく、もっと教養の根幹部分で問題が起きているように思える。
BBさんのC-NETエントリで
エントリは⇒アイピーモバイルの自己破産に関して感じる疑問-----総務省はなぜこの企業に免許を与えたのか:CNET Japan ブログネットワーク
それはそれとして。
⇒CNET Japan ブログアワード 2007 - CNET Japan
というのがあるわけか。
業界的にはFPNブランドが先ということかな。
ま、いろいろあっていいでしょう。
と、おやっ?
⇒BigBang: CNETブログの、いささか半端な「フラット革命」
11月になったら、CNET読者ブログが、「CNETブログ」という名になり、「プロブロガー」と混然一体化されていて驚いた。最初は一体何が起きたのか、さっぱりわからなかったのだが、何でも両者を均一に読者評価の「フラット地獄」の中に、放り込み、それで掲載順位を変えるのが狙いだとか。
これで、CNETのプロブロガーである佐々木俊尚さんと読者ブロガーであった私も、フラットの地平に並び立ったことになる。うへへ・・と言いたい所だが、従来の「プロブロガー」にはαという頭文字がついている。つまり「αブロガー」・・・・・・・・。さすがにそこだけはフラットではないらしい。
え?
と思ったら。へぇ。
つまり佐々木さんはC-NETぶらんどのアルファブロガーで、そしてFPNとのグリュー(のりしろ)なわけか。さすがブログ業界って感じ。
ってか、ブログも業界で食える業界なんだろうか。
ちゃんちゃん、ですが。(←真似してみました。)
セブン銀行も強いよな
⇒asahi.com:セブン銀行、進化は続く コンビニATM好調 - 経済を読む - ビジネス
セブン銀行の「売り上げ」は、利用者が払う手数料ではなく、使われるたびに提携先から受け取る利用料。今年度は800億円を超える勢いだ。
eバングが音を上げて値を上げたけど、JNBはどうかな。