マクロバイオティックスのこと

 これ読んで思った⇒マクロビオティックの概念を少し読んでみた - 栄養学のメモと活用
 ぶくま⇒はてなブックマーク - マクロビオティックの概念を少し読んでみた - 栄養学のメモと活用
 で、そのエントリはそれほどということはないのだけど。
 そして以下、私の話はもう20年前のことなんで現在は違うかもしれないなのだけど。
 では。
 マクロバイオティックスなんだけど、「マクロビオティック」と日本では言われていると思う。
 ウィキペディアもそうだった⇒マクロビオティック - Wikipedia
 これは日本で創始されてそう言われているのだからそう、みたいな話。
 で、ウィキペディアの項目を読んでみたけど、まあ、そう間違ってもいないけど、これではわからないのではないかな。

マクロビオティック (Macrobiotic) とは、長寿法を意味する。第二世界大戦前後に桜沢如一が、自ら考案した食生活法や食事療法の名称として広めたことから、現在ではこの意味で用いられることがほとんどである。食生活法は欧米でも普及している。

 創始は桜沢如一というのはいいし、そして一応起源は石塚左玄。石塚は、医師ともいえるのでその思想を探るのはおもしろいのだけど、どうしてもマクロバイオティックスの系統から考えられがち。でも、簡単にいえば、石塚は時代的な制約があって、まあ、歴史的な考察対象としてよいと思うし、桜沢の珍妙な考えにそう結びつけなくてもよいかとは思う。
 で。

日本古来の食事のように、玄米を主食、野菜や漬物や乾物などを副食とすることを基本とし、独自の陰陽論を元に食材や調理法のバランスを考える食事法である。現在では桜沢如一の説を土台として、さまざまな分派が存在する。

 というわけで、分派がいろいろある。
 そして、この分派をどう考えるかがけっこう重要。何にとって重要というのは説明しづらいけど。
 で、自分なりに見ると。

  1. 桜沢如一の原典と活動記録
  2. 桜沢里真の食の展開
  3. 久司道夫の海外での活動
  4. 大森英桜のオカルト的展開

 と岡田周三も関西の展開(和食的)であってもよいかもしれないけど。
 で、いわゆる有名なマクロバイオティックスは、久司系です。つまり、米国流というか。桜沢自身はフランスに拠点を置いていたこともあるのでその系統もあり。
 で、当時は桜沢里真先生が存命でしかも、その存命そのものがマクロバイオティックスだったので、その敬意でそれなりに統一されていたと思う。
 ただ、大森英桜は久司道夫とは実質はまったく別とも言っていい展開になっていた。このあたりをどうとらえるかというか、ようするに、大森英桜という人の思想をどうとらえるかということになる。というか、大森英桜も05年に亡くなって、その思想はどう継がれているか、もうわからない。ほとんどオカルトだと思う。
 桜沢には、

  1. 国際性
  2. 食養
  3. 陰陽論

 の3つの側面があって、国際性と食養をバランスよく次いだのが久司。菊池富美雄もそうした面を継いでいた(ブラジルの話はおもしろい)。食養をある程度体系的にしたのが里真。陰陽論は大森なんだが、大森の場合は、桜沢の手当も深化させていた。
 私はこのなかで今も関心があるのは、桜沢の国際性で、ある意味、明治の日本人らしい一面と思想があった。
 ⇒桜沢如一 - Wikipedia

戦時中は夫人で食養料理研究家の桜沢里真の実家のある山梨県疎開。戦後は世界連邦運動に取り組む傍ら、再びインド・アフリカ・欧米など世界各地を訪ね、マクロビオティックの普及に注力する。1955年には、アフリカ・仏領ガボンにてアルベルト・シュバイツァー博士と会見し、西洋医学、栄養学の限界とその改善を進言するが受け入れられなかった。

 このあたりの一種戦記物みたいな話は非常におもしろかった。書籍化されていないものもあるかと思う。
 栄養学的にはマクロバイオティックスはナンセンスだと思う。
 ただ、自分はもっとも厳格なのを半年やって、いろいろ思うことはあった。基本的に、里真先生の国際体験や日本各地の伝統食の見直しなどはおもしろかった。CI協会では食品も売っていたのだけど(今でもそうかな?)、記憶に残っているのは、栃の実だった。なんというのか、古代を思わせる味がした。あれは機会があったら、食ってみるとよいと思う。
 ほとんど聖典エスニック料理がけっこうある)⇒「 マクロビオティック料理: 本」
 マクロバイオティックスは、大森的には、穀物食の思想で(晩年は貝とは食わせていたようだけど)、それを、人や日本の正しい思想のように見ていた。
 私は、人間種は、フルーツイーターでかつ魚食、なんじゃないかと思うし、穀物食の農耕というのはある意味、人類倒錯の偉大な一歩だったんではないかなと考えている。
 易学から桜沢の陰陽論を見ると、単純にでたらめと思う点もある。まあ、このあたりもどっちもナンセンスな体系なんでどうでもいいのだけど。