日経 春秋

江戸時代も技術革新はあった。紅の製造元が、玉虫色に輝く紅を開発して人気を呼んだ。紅やおしろいを入れて持ち運ぶ「板紅」という平たい容器も登場。最初15センチの長さがあったが、5センチ四方の小型の器になり携帯に便利になった。化粧品を売る側も需要を増やそうと知恵を絞った。先人に負けてはいられない。

 負けてないですよ。当時のおしろいは鉛白、紅は水銀が含まれていた。有毒だった。

産経新聞社説 【主張】こどもの日 家族で食卓囲む楽しみを - MSN産経ニュース

 江戸時代末期の歌人、橘曙覧(たちばな・あけみ)は「たのしみは妻子(めこ)むつまじくうちつどひ頭(かしら)ならべて物をくふ時」と詠んだ。親子が寄り添って食事をする光景ほど、幸せを感じさせるものはない。

 「たのしみはまれに魚煮て兒等皆がうましうましといひて食ふ時」とも。つまり、煮魚が食えるのがごくマレなほど貧しい生活で親子が寄り添うしかなかったつらいのぉという時代。そして、子供に煮魚を食わせて親はちょいと我慢する。執筆子、今日は魚買って帰れよ。

毎日新聞社説 社説:みどりの日 トキに学ぶ生物多様性 - 毎日jp(毎日新聞)

 トキをめぐっては、テンによる「襲撃事件」も、生物多様性にからむ問題を提起した。そもそも、佐渡にテンを持ち込んだのは人間である。今回の騒動を機に駆除するかどうか意見が分かれているが、テンにしてみれば人間の勝手な議論だろう。

 あのー、トキを佐渡に持ち込んでバカ騒ぎしているの、人間なんですけど。

読売新聞社説 地球温暖化 科学的な根拠の検証が急務だ : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 いや科学に国境はないのだから大した話ではないのだが。

 地球温暖化の科学的な信頼性が揺らぐ中、日本の科学者を代表する日本学術会議が初めて、この問題を公開の場で論議する会合を開いた。
 だが、会合では、専門家がそれぞれ自説を述べるだけで学術会議の見解は示されなかった。このまま終わらせてはならない。

 なんで日本学術会議はまとめなかったのだろうか、という単純な疑問は残る。
 
追記
 ⇒IPCCに関する日本学術会議主催のシンポジウム(出席後の覚え書き) - macroscope

朝日新聞社説 派遣法改正―働き方を正す一歩として

 大量の「派遣切り」の背景となった製造業への派遣は、派遣元が1年以上雇う見込みのある「常用型」に限られる。偽装請負のような違法な働き方をさせた場合は、派遣先に強制的に雇わせる「みなし雇用」制度も創設される。「日雇い」も原則禁止だ。
 同法が1986年に制定されて以来、派遣労働の規制緩和が続いてきた。今回の改正は大きな転換である。
 だが、改正案には派遣労働者の側から「形だけで、効果は期待できない」との批判がある。派遣を規制しても請負など別の不安定な働き方に変わるだけだ、という指摘もある。法改正で禁止対象となる派遣社員は約44万人。このうち、18万人が失職する可能性があるという民間研究所の試算もある。

 やってみて懲りるしかないんじゃないかのまたもイソップ物語的状況。

 日本の社会全体や個々の企業でもそうした方式を実現させていくには、どうすればいいのか。
 企業ごとに正社員の長時間労働を減らすと同時に給与体系を見直し、非正社員との待遇均等化を進める、といった覚悟も問われるのではないか。
 当面は、派遣先企業の使用者責任の拡大や規制強化にどう取り組むかが重要な課題だろう。
 法制化を見越して派遣から請負などに切り替える実態の把握も必要だ。
 すべての労働者が不当な扱いを受けることなく働けるようにするための課題は、山のようにある。

 まず特権的なポジションの労組が折れればいいのだけど、その利害で成り立っている民主党では無理という話。

鳩山首相、投了

 ⇒“現行案の修正で最終調整” NHKニュース

鳩山総理大臣は、就任後、初めて沖縄県を訪問し、午前11時すぎから沖縄県庁で20分余りにわたって仲井真知事と会談しました。会談の冒頭、仲井真知事は「普天間基地の危険性を一日も早く除去してほしい。さきに開かれた県民大会の状況からも県外移設の実現に期待する声が高まっている。沖縄県の過重な基地負担を軽減することは県民の強い願いだ。在日アメリカ軍の整理・縮小は、実現可能なものから一つ一つ取り組んでほしい」と述べました。これに対し、鳩山総理大臣は「こういう時期に沖縄を訪問するのは無謀だという指摘もあったが、このような時期だからこそ、沖縄県民の声を直接間接に聞きたいという一心で来た」と述べました。そのうえで、鳩山総理大臣は「国外への移設を検討したこともあったが、日米同盟や近隣諸国との関係を考えたときに抑止力の観点から、現実的には不可能だと考えた。県外移設に向け、さまざまな努力をしてきているが、すべて県外へということは現実問題として難しいということに直面している。パッケージの中で、沖縄に負担をお願いしなければならない」と述べ、沖縄県の中に基地機能の一部を移設する考えを示し、理解と協力を求めました。続いて、鳩山総理大臣は、沖縄県議会の高嶺善伸議長らと会談しました。この中で、鳩山総理大臣は「沖縄の皆さんにも鹿児島県徳之島の皆さんにも、普天間基地の移設問題に関して、率直にご負担、ご協力を願えないかという思いだ」と述べました。そして、鳩山総理大臣は、現行案の修正について「環境に最も配慮するべきで、一般論ではあるが、埋め立ては極力抑えるべきだという考えが政府内でも出てきているし、アメリカとも追求していきたい」と述べ、鹿児島県徳之島に基地機能の一部を移転するとともに、現行案を修正し、キャンプシュワブ沖の浅瀬にくいを打ち込んで滑走路を造る案などを軸に最終調整を進めていることを明らかにしました。

 まあ、選挙前の予想通り。
 2009.07.29⇒民主党の沖縄問題の取り組みは自民党同様の失敗に終わるだろう: 極東ブログ
 経緯⇒昨年五月の鳩山さん曰く「(普天間の)県外移設を目指すという考えを変えるつもりはない。政権を取る前と取った後で党の重要な考えを変えるべきではない」 - finalventの日記

ああ、浅薄な鳩山首相

 鳩山さん、ご自身も認めたように、「認識が浅かった」
 ⇒asahi.com(朝日新聞社):「公約は選挙の時の党の考え方」4日の鳩山首相(2) - 政治

 【抑止力認識の変化】
 
 ――抑止力、日米同盟の重要性を話したが、それは去年の時点ではそのような認識が浅かったと言うことか。県民への十分な説明になっているか。
 
 「あの、私は海兵隊というものの存在が、果たして直接的な抑止力にどこまでなっているのかということに関して、その当時、海兵隊の存在というもの、そのものを取り上げれば、必ずしも、抑止力として沖縄に、存在しなければならない理由にはならないと思っていました。ただ、このことを学べば学ぶにつけて、やはりパッケージとして、すなわち海兵隊のみならず、沖縄に存在している米軍の存在全体の中での海兵隊の役割というものを考えたときに、それがすべて連携をしていると。その中での、抑止力というものが維持できるんだという思いに至ったところでございます。それを浅かったと言われれば、あるいはその通りかも知れませんが、海兵隊に対する、その存在のトータルとしての連携の中での重要性というものを考えたときに、すべてを外に、県外、あるいは国外に出すという結論には、私の中でならなかったと言うことであります」
 
 ――総理、総理。
 
 (秘書官=ありがとうございます。終わります)

 こんな浅薄な認識で大国の首相となっては困りますよ。

鳩山さん、ダウト。

 ⇒YouTube - 鳩山総理大臣「最低でも県外は公約では無く、私自身の発言」
 ⇒asahi.com(朝日新聞社):「公約は選挙の時の党の考え方」4日の鳩山首相(2) - 政治

【公約違反の責任】
 
 ――(最低でも県外という)公約を覆したことの政治責任はどう考えるか。
 
 「公約、という言い方はあれです。私は、公約というのは選挙の時の党の考え方ということになります。党としては、という発言ではなくて、私自身の代表としての発言ということであります。その自分の発言の重みというものは感じております。ただ、やはり、今、先ほどから申し上げておりますように、普天間の危険性の除去と、それから沖縄の負担の軽減というものをパッケージで考えていくときに、どうしても一部ご負担をお願いせざるを得ないというところ、これからもしっかりと皆さん方との意見交換の中で模索をして、解決をして参りたいと思っています」

 今回のマニフェスト上は明記されなかったけど、マニフェストの各論である沖縄ビジョンでは明記されとりますがな。
 ⇒民主党:民主党・沖縄ビジョン(2008)
 PDF⇒民主党・沖縄ビジョン(2008)

民主党は、日米安保条約を日本の安全保障政策の基軸としつつ、日米の役割分担の見地から米軍再編の中で在沖海兵隊基地の県外への機能分散をまず模索し、戦略環境の変化を踏まえて、国外への移転を目指す。

3) 普天間米軍基地返還アクション・プログラムの策定
普天間基地辺野古移設は、環境影響評価が始まったものの、こう着状態にある。米軍再編を契機として、普天間基地の移転についても、県外移転の道を引き続き模索すべきである。言うまでもなく、戦略環境の変化を踏まえて、国外移転を目指す。
 普天間基地は、2004 年8 月の米海兵隊ヘリコプター墜落事故から4 年を経た今日でも、F18 戦闘機の度重なる飛来や深夜まで続くヘリの住宅上空での旋回飛行訓練が行われている。また、米国本土の飛行場運用基準(AICUZ)においてクリアゾーン(利用禁止区域)とされている位置に小学校・児童センター・ガソリンスタンド・住宅地が位置しており、人身事故の危険と背中合わせの状態が続いている。
 現状の具体的な危険を除去しながら、普天間基地の速やかな閉鎖を実現するため、負担を一つ一つ軽減する努力を継続していくことが重要である。民主党は、2004 年9 月の「普天間米軍基地の返還問題と在日米軍基地問題に対する考え」において、普天間基地の即時使用停止等を掲げた「普天間米軍基地返還アクション・プログラム」策定を提唱した。地元の住民・自治体の意思を十分に尊重し、過重な基地負担を軽減するため、徹底的な話合いを尽くしていく。

 沖縄ビジョンのこの点についての改訂はない。
 つまり、事実上の党公約ですよ。
 
 でも、鳩山さんご自身が「自分の発言の重み」というのだから、辞任されるのでしょう。そして、首のすげ替えで逃げてはいかんと自民党を批判してきた民主党のことだから、これで解散、衆院選挙ということ。

社民党の福島瑞穂党首に待たれる「重大な決意」

 2009.12.3⇒asahi.com(朝日新聞社):辺野古移設なら連立政権離脱も 福島・社民党首が表明 - 政治

 社民党福島瑞穂党首(消費者・少子化担当相)は3日午前の党常任幹事会で、米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の移設問題について、鳩山内閣が2006年の日米合意通り同県名護市辺野古に移設することを決めれば、社民党として連立政権からの離脱も辞さない考えを示した。
 福島氏は「辺野古の沿岸部に海上基地をつくる決定を内閣が行ったら、社民党としても私としても、重大な決意をせねばならない」と述べた。

 ここは、朝日新聞の解釈のように、「辺野古移設なら連立政権離脱」でしょう。

鳩山首相「オバマ大統領として、あるいは米国がどこまで理解しているか、まだ判断がつかない」

 ⇒首相、沖縄負担軽減で米の理解度疑問視?発言 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 鳩山首相沖縄県宜野湾市で開いた4日の住民との対話集会で、沖縄の基地負担の軽減について、オバマ大統領として、あるいは米国がどこまで理解しているか、まだ判断がつかない」と発言した。
 「『沖縄の負担を軽減させるために協力してもらいたい』と(米側に)言ってきた」と強調した後に飛び出した。米側の沖縄に対する取り組みに疑念を呈したとも受け取られかねず、今後波紋を呼ぶ可能性がある。

 ネタであってほしい。
 気は確かかレベルの発言。