朝日新聞社説 派遣法改正―働き方を正す一歩として

 大量の「派遣切り」の背景となった製造業への派遣は、派遣元が1年以上雇う見込みのある「常用型」に限られる。偽装請負のような違法な働き方をさせた場合は、派遣先に強制的に雇わせる「みなし雇用」制度も創設される。「日雇い」も原則禁止だ。
 同法が1986年に制定されて以来、派遣労働の規制緩和が続いてきた。今回の改正は大きな転換である。
 だが、改正案には派遣労働者の側から「形だけで、効果は期待できない」との批判がある。派遣を規制しても請負など別の不安定な働き方に変わるだけだ、という指摘もある。法改正で禁止対象となる派遣社員は約44万人。このうち、18万人が失職する可能性があるという民間研究所の試算もある。

 やってみて懲りるしかないんじゃないかのまたもイソップ物語的状況。

 日本の社会全体や個々の企業でもそうした方式を実現させていくには、どうすればいいのか。
 企業ごとに正社員の長時間労働を減らすと同時に給与体系を見直し、非正社員との待遇均等化を進める、といった覚悟も問われるのではないか。
 当面は、派遣先企業の使用者責任の拡大や規制強化にどう取り組むかが重要な課題だろう。
 法制化を見越して派遣から請負などに切り替える実態の把握も必要だ。
 すべての労働者が不当な扱いを受けることなく働けるようにするための課題は、山のようにある。

 まず特権的なポジションの労組が折れればいいのだけど、その利害で成り立っている民主党では無理という話。