日経春秋 春秋(11/3)

悲劇的な作品でも、根底には人間たちへの愛と期待を感じさせた。どうすれば未来志向の発想ができるのかと聞かれ、手塚は生前、こう答えている。「まず暗い想像を全部してしまったら、反対の明るい未来のイメージが出てくるような気がします」。手塚が亡くなってから20年近くたつ。混乱する今の世界をどう見ているだろうか。

 春秋子、手塚の作品を読んでないんじゃないかな。手塚のオリジナル作品は暗いよ。なんであんなに暗いんだろうというくらい。

産経社説 【主張】身なりチェック 規律ただす指導は当然だ - MSN産経ニュース

 これは話が逆なんだが。

 いじめを行う生徒などへの指導もきちんと行えない現状が批判され、文部科学省は昨年、体罰の基準を明確化した通知を出し、指導が萎縮(いしゅく)しないよう求めた。規則を明確に決め、守らなければ厳しく対処する米国の「ゼロ・トレランス(非寛容)」を参考にした指導の必要性も通知している。

 規則を明確に定めというのは、「服装や態度」といった主観的な要素をできるだけ排せということなんだが。

毎日社説 社説:沖縄ノート高裁判決 言論の萎縮に警鐘を鳴らした - 毎日jp(毎日新聞)

 そのうえで、仮に後の資料からみて誤りとみなされる主張も、言論の場において価値がないものであるとはいえないとし、「これに対する寛容さこそが、自由な言論の発展を保障する」と述べた。

 過去の書籍で、現在からみると差別表現というのは多いものだが、そのあたりも抹殺するのではなく別途配慮したほうがよいと思う。まあ、配慮はされている部分もあるが。

朝日社説 温暖化と森林―保全で得する仕組みを : asahi.com(朝日新聞社):社説

 些細なツッコミでどうでもいいといえばいいのだが。

 日本は木材消費の8割を外材でまかなっている世界有数の輸入国だ。
 その主要な輸入相手国であるインドネシアで、日本は人工衛星の画像を使って伐採状況を監視する方法を開発した。広い熱帯林のどこで、違法伐採が進んでいるかを知る手段になる。

 多分執筆子、インドネシアの具体的なイメージがなく頭でこの社説書いているのだろうと思う。というのは、日本の材木消費からインドネシアの熱帯林伐採と思念を動かすとき、あの自然の体感があれば、まずパームツリーを思い描くはずだ。
 文章というのが難しいのは、こういうところにある。文は人なりというのは文体論として問われるが、さらに人としての経験の豊穣さというものが裏打ちされる。あるいは文を読むとはその人の経験や感性を読み出すことだ。別の言い方をすれば、優しいわかりやすい文章に価値があるというものでもない。文章は頭の良い人、文章が生まれつきうまい人がいる。しかし文章の妙味はその先にある。
 まあ背景の一端(あくまで一端だけど)⇒インドネシア パーム油増産が森を追いつめる : BS世界のドキュメンタリー
 そして、そのパーム油が日本の産業にどう関わっているかも調べてみるとよいですよ。

曇り

 次第に晩秋の天気へ。昨晩は寝付かれなかった。性欲がむらむらというほどの元気はないが、情感をゆさぶられるような感じがして不思議だった。坐禅も瞑想も効かず、グルーワインを飲んだあと軽くゆる体操をしていた。
 夢は先ほどまで覚えていた。記憶の痛みの別表現なのだろう。

学生の英語と大人の英語は違うんですよ

 ⇒404 Blog Not Found:英単語が覚えられないたった一つの決定的な理由
 批判という意図ではないので、まあ、こういう意見もある程度くらいのことなんだけど。
 弾さんのお勧めは学生向きであって、大人になると情報を得るために必要に迫られて英語を読む、まあ、迫られ方というのは多様であるにせよね。私なんぞは、どうも、日本の言論は阿呆なんじゃないか、これって世界の問題でしょ、じゃあ、世界の人はどう考えているのさと読む。中近東とか中国語圏はなかなかフォローできないけど。
 で、と。
 大人の英語で重要なのは、類語の微妙な差なんですよ。つまり、日本語ネイティブな日本人だと言いたいこと言うには基本的な英語の語彙しか使えないけど、それってようするに英語が外国語の英語なんですよ。それはそれでいいのだけど。でも、英語ネイティブなやつらは類語の微妙な差にいろんな情報を込める。そこを読まないと読めたことにならない。だから圧倒的な語彙力というのが問われる。
 その意味では、かなり強力な電子辞書で一発で6種類くらいの辞書の項目を眺めたり、コロケーションを見ないとよくわかんないんですよ。
 昔、院生だったころ学部生の答案チェックをしたことがあり、学生の一部は英語で答案を書いてくる。英語は当然彼らのほうがネイティブだけから断トツにうまいのだけど、学術用語の概念を一般概念で使って理屈をこねていてるだけで全然だめ。こいつ理解してないなと点を落とすと、あとで文句を言って英語でがなりたてくるのだけど、懇切にその違いを説明すれば、それなりすっこんだ。
 
追記
 これも非難という意味じゃないのでそこんところよろしく。で。
 ⇒「get」を使った表現50個を英語で覚える - 医者を志す妻を応援する夫の日記
 これなんだけど、getを使った表現とそうでない表現はTPOが違うんですよ。雑駁に言うと、そのまま言い換えできないと考えたほうが無難だったりします。
 この点、れいのBasic Englishは独自の雰囲気を持つんだけど(なのでBAもまた微妙)。

今日の一冊 No.6 「本陣殺人事件」横溝正史

 ⇒新妻聖子さんの私の1冊 | NHK 私の1冊 日本の100冊

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本陣殺人事件 (角川文庫―金田一耕助ファイル): 横溝 正史
 横溝正史はほとんど読んでないです。まったくではないにせよ。金田一耕助シリーズも同。
 新妻聖子についてもまるで知らない。ただ見ているとああ帰国子女ってこうだという雰囲気がいろいろあってどこからそれが出てくるのか、視線か?と思ったけど、そういえば、彼女らは論理的にだだだだと話す点かな。
 ⇒新妻聖子 - Wikipedia

新妻 聖子(にいづま せいこ、1980年10月8日 - )は愛知県中島郡祖父江町(現稲沢市)出身のミュージカル女優、歌手。

父親の仕事の都合で、11歳から約7年間タイで過ごす。
バンコクのインターナショナルスクールを卒業した後、上智大学法学部国際関係法学科に入学。

 彼女が読んだのは、おどろどろしい角川文庫の表紙のあれで、番組でも懐かしいと言っていた。私の記憶ではれは、彼女が産まれるころのものではないかな。お父さんがお母さんの文庫を読んだのではないか。いずれにせよ、横溝で日本語を学んだふうに言っていた。
 横溝正史については個人的になにかひっかる話があったのだが、ジュヴナイル関連だったか、思い出せない。

釣られたら負けってやつですか

 いやこれ、これ、なんていうの、とんでもない?ことが書いてあるんだけど。いや、これ、とか言ったら、先生に失礼か、まあ。
 これ⇒人を見る目 (内田樹の研究室)
 っていうか、これって、とんでもねー話じゃねーみたいな感想ってないのかな。

 けれども、私たち日本人の「霊的感受性」が驚くべき劣化を遂げたことにメディアは共犯的に関与していると私は思っている(新聞はそれを組織的に無視することによって、テレビはそれを「見世物」に貶めることによって)。
 たまたま新聞から宗教の問題について問われたから、メディアが宗教と、ひろく霊にかかわる問題を組織的に無視してきたことが、現代人の「見えないものを見る」能力の劣化の重大な原因であるという私見を述べたのである。

 なんか頭痛するんですけど。私たち日本人の「霊的感受性」……ぅぅ頭痛ぇ。
 大拙だって同じこと言っている……昭和十九年、「日本的霊性
 ま、まてよとググったら⇒日本的霊性と華夷秩序のコスモロジー (内田樹の研究室)
 っていうか、あれなのかな、どこからツッコンでよいかわからない文章というのも隙のない文章ってやつなんでしょうか。

 それはマルクスウェーバーフロイトが現に世界のすべてのできごとを説明しておきながら、 「どうして自分には世界のすべてのできごとを説明できるのか」を説明できないのと同じである。
 ポランニーはこれを「暗黙知」と呼んだ。
 フッサールは「先験的直観」と呼んだ。
 何と呼んでも構わない。

 すっ、隙がないじゃないですか。どこをツッコめと。ポランニの「暗黙知」はそうじゃない、とか、「先験的直観」はカントかヘーゲル? 嗚呼、ダメだ、そんなんじゃ、「何と呼んでも構わない」の合気道で吹っ飛ばされてしまう。

(a)"The horse kicked me."と(b)"The horse kicked at me"の違い

 先日ぼけっとテレビの英語番組を見ていて、これが出てきて、(b)では「私は蹴られてない」と言われて、はっとした。
 厳密には蹴ってないとまでは言えないけど、まあ、やはり、(b)では蹴られてないという語感はある。
 まあ、これはそう説明されればそうだけど。
 こんな感じ⇒YouTube - Taekwondo Beauty kicks at you
 "The horse looked at me."はというと、馬は、「私を見ている」わけで。このあたり、ようするに、Look!(注しろよ)と、Look at me!(私を見て)というのは、そう違うわけでもない。
 まあ。
 "The horse looked me."は? 非文か。先の(a)と(b)とどう関連しているか、よくわからない。"The horse looked me in the eye."とはいえそう。
 こういう単純なところで英語がよくわかんないというのはある。
 まあ、私の英語力が低いというだけだが。

これね

 ⇒麻生内閣や小沢民主のよりは、はるかに強力に日本経済を立て直すと思われる政策を、中学生でも分かるように解説してみる - 分裂勘違い君劇場
 スキーマティックにまとまっているのだけど。
 要点はたぶん、
 ⇒インフレターゲット - Wikipedia

インフレターゲット論の主張する重要な金融政策の一つは国債、市中債券、株式等の引受(公開市場操作の拡張)であり、とくに公正性の観点から日銀の国債引受が有効であるとの主張がなされた。国債の日銀引受は財政法第5条[4]で原則禁止されている一方同条但書きを前提として1年未満の短期国債の引受は1945年から継続的に実施されている。これを長期国債まで適用を拡大させ、財政出動や大幅減税を実施する一方で、その財源としての国債を日銀に引き受けさせる事で実質的に通貨供給を増やすというものである(ヘリコプターマネー論)。

 いろいろ議論はあるけど、日銀法の解説が必要になるのではないかな。
 という点で政治プロセスがとても重要になる。
 まあ、たぶん、ダメでしょう。
 
 スジとしてはこれがわかりやすい。

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日本経済にいま何が起きているのか: 岩田 規久男
 議論は以下が包括的。
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金融政策論議の争点―日銀批判とその反論: 小宮 隆太郎, 日本経済研究センター
 特に、小宮隆太郎のコメントが重要。
 
 ついでにFTはこうね⇒FT.com / Comment & analysis / Editorial comment - Japan needs more than gestures

the only way to shift the economy toward domestic consumption is to put money into the pockets of low and middle income earners whose wages have now been stagnant for almost two decades.

 格差是正が鍵である、とか、読んでもそう間違いでもないかも。
 日銀については。

More than any other central bank, the Bank of Japan knows what works. If need be, it should not hesitate.

 まあ、無理でしょう。