今日の大手紙社説

 なぜか米国一般教書演説がテーマだった。朝日と日経が対照的だった。
 いつのまにかこの問題は社説で触れないね。
 これ⇒時事ドットコム:PAC3、横須賀にも=ミサイル防衛で3カ所目−神奈川

 弾道ミサイルを地上で迎撃する地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)が30日未明、航空自衛隊武山分屯基地(神奈川県横須賀市)に配備された。空自入間基地(埼玉県)、習志野分屯基地(千葉県)に続き3カ所目で、防衛省は2010年度末までに、関東から九州まで計11の空自基地に配備する。

日経社説 最後に経済で試練迎えたブッシュ大統領

 朝日と対比的。つまり、日経のこの社説が社説として妥当な水準だろう。

 対外経済政策では、コロンビア、パナマ、韓国との自由貿易協定(FTA)の実現を議会に訴えた。米韓FTAが議会に承認されるかどうかは、日本のFTA戦略にとっても他人事ではないが、この点でも大統領の指導力を期待できるかどうかは心もとない。米議会の保護主義を、どうやって抑えるかも含め、気がかりな点である。
 経済とは逆に、3月に開戦から5年となるイラク情勢については「米軍とイラク軍の増強は1年前には想像できなかった成果を上げてきた」と誇った。イランについても「アメリカは我が軍を脅かす者には立ち向かう」と強気の姿勢を示した。
 しかし02年の一般教書演説でイラン、イラクとともに「悪の枢軸」と名指しした北朝鮮には触れなかった。その点はこれまでの一般教書演説と大きく異なる。この違いが北朝鮮にどう受け止められるのか。
 米国政治の焦点は次の大統領選びに移っている。いかにも現政権の最後らしい一般教書演説だった。

 そういうことだと思う。いちおう大手紙で一紙でもまともな社説があるとほっとする。

朝日社説 ブッシュ演説―残された亀裂をどうする : asahi.com:朝日新聞社説

 ちょっとこれはあまりにひどい社説だなと思う。別にブッシュを支持するわけではない。

 なのにブッシュ氏はなお、イラクへの米軍増派が「誰も想像できなかった成果」を上げたと胸を張る。確かに宗派間の衝突は下火になり、米兵の死傷者数は減少している。だが、それで対テロ戦全体が成功に転じたとはだれも信じまい。
 出発点だったアフガニスタンでさえ、治安が悪化し、同盟国の間に亀裂が出始めている。隣国パキスタンの政情までおかしくなってしまった。

 アフガンの問題は少し次元が違う。むしろ米国はNATOやEUに縛られている。このあたり、ある意味米国は本当の軍事力を出していない。というか、けっこう国際世界に配慮している。それが裏目に出ている面がある。
 そしてこうした問題が米国の問題とばかり言えないのはむしろNATOやEU側の目下最大の問題であるコソボを考えるといいだろう。朝日はそこを失念しているのか作為的に隠蔽しているのか。コソボダルフールという変数を入れたとき、この社説のスジは保たないだろう。
 「対テロ戦全体が成功に転じたとはだれも信じまい」という見方もあるだろう。イラクの人ですらそう思う人も少なくないだろう。ではイラクの多様な人々がどのようにそれを受け止めているかは単純な問題ではない。それはクルド、トルコ問題を見てもわかる。

朝日社説 マックの店長―「残業代0円」とはいかぬ : asahi.com:朝日新聞社説

 「君もいよいよ管理職だ」と部下をおだて、残業代を払わないですまそうとすることはもはや許されない。こう経営者は肝に銘じた方がいい。

 すらっと読んでいると朝日の言い分で溜飲を下げるという人も多いのだろうが、このパティキュラな問題としては9年前のこと。実質、10年前の物語でもある。その頃、この問題を世間や新聞はどう見ていたか、つまりそのコンテクストでまず問われるべきだろう。そしてその10年における世間と新聞と続く。そうした経緯がなく、今の問題として、そして水戸黄門的な正義が語られてしまう。
 それと、この問題は本質的にはどこの職場も同じで、朝日新聞とその系列が免れているわけもないと思う。執筆子はそれを知らないとしたら、朝日新聞という会社は立ちゆかないだろう。

晴れ

 少し暖かくなりそう。富士山もすこし春めいている。
 夢は、お能の井筒を見ていて、それから何か新作を見ていた。お能というのはあれでけっこう感情をゆさぶられるものだ。その感情とは何だろうと考えているという夢。
 昨日は、少し身心ともに無理のレベルにつっこみ、さすがに就寝前に頭を冷やすためにビールを飲んだが存外に美味しくなかった。少しレストをとらないとなと今朝思った。
 そう急速にではないが身体は衰えていく。心と脳は、それほどでもない。それほどでもないというのがうまく受け止められない。

おや、こんな話題がぶくまに

 おや⇒はてなブックマーク - なぜ、日本はデフレなのか? - FIFTH EDITION
 元⇒なぜ、日本はデフレなのか? - FIFTH EDITION
 このキノコはれいの尻出しさんか。
 まあ、そう間違いとも言えないのかとも思うが。

 日銀が、どんだけ金を市場に流し込んでも、インフレにならなかった理由が、これではっきりとわかったんです。というより、インフレにならず、デフレになっちまった理由ですね。
 つまり、世界的にあふれ出したマネーが、一次産品に流れ込み、石油、石炭、天然ガスや食料品の価格高騰を招いた。
 そして、一次産品値上がりは、日本の家計の、国内における財・サービス購入の減少に結びついたということです。
 つまり、資金ジャブジャブが、結果的に、ですが、日本ではデフレ圧力としても作用したということです。
 それが、日銀の資金注入によるインフレ圧力を相殺してしまった。
 その結果だということです。

 まあ、そのあたりはなにかいずれ実証研究が出るのではないか。現状ではホットマネーの実態すらよくわかってないように思う。
 ただ、大筋で言えばこの説明は違うでしょう。投資の問題をどう捉えるかという点で。
 それと、これっていわゆるリフレな人からは反発があるのかと思ったら。
 案の定⇒■[経済/金融]なぜ、日本はデフレなのか? : 2008-01-29 - svnseeds’ ghoti!

日本のデフレは1990年代半ばから(確かGDPデフレータで1995年、CPIで1998年)の現象であって、早くても2003年以降(原油が。非鉄金属や小麦などは2006年前後から)の現象であるコモディティ価格上昇とはそもそも何の関係もない。

 それはまったくその通り。ただ、その部分はいちおう目下の問題としては捨象されているかあるいは異質な問題のような空気があるのだろう。

要するに日本のデフレは、その発生も継続も、海外要因なんてほとんど関係していない。「インフレは、いついかなる場合も貨幣的な現象」ってそういう意味だと僕は思う。

 これはれいの量子力学と実験と同じようなフレームの扱いの問題で、ようするに貨幣現象をモデル化するからそうなるということに過ぎないように思う。つまり、モデルの問題。モデルによって結論の有意味なフレームワークは決まっているのだから。というか、上のコメントはトートロジー
 で、本当の問題はsvnseedsさんが余談しているほう。

そもそも日本で「ジャブジャブ」になったおカネが、何故日本国内で使われずに海外へ向かったのかについて、色んな考えがあるようだ。

 でsvnseedsさんの答えは。

で、僕はただ単に日銀の緩和が足りないだけでしょ?と思うんですがどうですかね。

 そこがそろそろ結論を出していい時期なのだが、明確な結論が出ないというのが結論のように思える。つまり、その仮説はどう支援されるかというフレームワークが見えない。変数の多すぎる仮定を含むのでモデルによってどうにでもなりそうな印象もある。
 で、とはいえ、大筋は。

おカネってのは儲かるところに勝手に動くわけであって強制的に動かすことは難しい。何故日本国内で投資が行われないかといったら、ただ単に金融緩和が足りないからという説明が一番合理的なように僕には思える。

 なのだが、実際の世界を見ていると先日の産油国と中国の米国支援を見ていると、儲かるところに勝手に動いているわけではないことはごくあたりまえのこと(まあそれも儲かるという経済合理性だよという説明もあるかもしれないけどその説明にすでに政治的な前提が入る、つまり米ドル秩序という)、ほいで、「何故日本国内で投資が行われないか」というのは直裁なというかオートマティックな帰結は、「おカネってのは儲かるところに勝手に動く」とするならなおさらなこと、日本が儲からないからだ。
 儲かるというのは生産性。だから、svnseedsさんの仮説が正しいためには、日本の生産性が妥当な水準に維持されていることが前提。
 で、たぶん、svnseedsさんのお考えでは、その生産性はあるという前提だったかと思う。なので、それなりにスジは通っているのでしょう。
 でも、私は、日本の生産性は低いと思う。このあたり、生産性が低い高いというより、投資のインセンティブに妥当な水準で見るとということだ。
 ただ、これはこの10年間、ホットマネーが短期的な投機利潤に向かってしまったということがあるのかもしれない。つまり普通の投資で、日本の潜在的な生産力が維持されるなら、きちんと金融緩和をもっとすればよかったのに、と。
 ただ、そういう時代ではなかったのだろうと、私は思いますよ。

このところ「信用」というのをときたま思うのだけど

 まあ、床屋談義になるけど。
 「信用」というのは、貸した金が返せるということ、で、とりあえずいい。
 で、それは日本では、土地ということだった。ま、それもとりあえずいいでしょ。
 で、それはフィクションだけど、国家はそのフィクションで成立していた、と、プラザ合意前まではね。
 で、そのあたりからいろいろある。というか、わからない点も多いのだけど。
 目下のところ、土地なんかは、結局それも有用性みたいなものにきちんと還元されてしまって、価値のある土地とそうでもない土地という、コモディティになる。というか、ふつう投資先としての土地というのはさすがに時代遅れというか云々。
 すると、信用というのは、成長見込みということになる。
 ただ、成長というより、リターンというか利子の見込みなんで、パイの大きさで成長はどうとも決まるかに見える。
 でも、でもというのは、そのあたりは単純に枝葉末節に思えてきた。
 経済的な未来展望があるというのが、ようするに信用ということでいいのではないか。
 そういう意味で、日本に、これから投資に見合うだけの未来展望があるのかというと、単純にないんじゃないか。
 あとは日本を切り売りするというか、ただ、買うの日本人なんで、ようするに、日本全体がいわば老後の年金暮らしの国になったということなんだろう。
 というあたりで、米国は依然そうならない。出生率を維持し、人口を増加させ、軍事力を維持しよとしている。ま、それは、ローマ帝国時代から続く、国家の知恵みたいなというか、ああいう人々の無意識的な常識なのだろう。
 で、歴史の教訓としてはそれはそれで正しいのだろう。
 で日本はというと、そういう歴史の教訓からは、いよいよオワタなのか?
 まあ、私が生きている内には白黒も付かないような気がする。そして私がどうできるものでもないな。

うぁ

 ⇒話半分以下…株買い占め虚偽男を直撃、仰天発言次々 : ZAKZAK
 リアル気違いか。
 いやはや、とはいえ、オレなんかもリアル気違いFAされているものな、誰にとか言えないけど(FA位置でだいたい決まっているけど)。

まあ

 なんかのぶくまコメみたいだけど。
 暴力を振るう振るわないは以前も書いたけど私にはわからない。
 知的な男性というのは、知的な男性というだけではわからない部分があって、もう一つ下の層に「含羞」がある。知性が含羞と結びついて自己を小さくすることである種の快活さとユーモアと勇気が生まれる。そういうのをこっそりと秘めて生きている男がいる、少なくないのだけど、残念ながら、女からは見えません。
 まあ、男から見えない女の慈愛みたいなものもある。
 そのあたりは、実際に生きてみて、くたばるまで、ほぉ、人生って隠された宝物みたいなものあるんじゃないかというのが、ま、ご褒美みたいなもの。

その時代ではないのでしょう

 ⇒10年後を見据え、いまを築きたい(1/29) : 日経金融新聞

 10年後を予想して、いまを取材してみる。10年後を見据えて、自分の、家族のいまを築きたい。「10年後、金融こう変わる」を編集しながら、そう考えた。
 31日付で休刊する金融新聞。20年間執筆・編集させてもらったことを感謝するとともに、何らかの形でかかわるであろう「金融」のこれからの10年をまた楽しもうと思う。

増田的愚痴

 ⇒ぼくがしごとしてるところ

クラス書けないし読めないんですかそうですか。functionとかできれば書きたくないんですかそうですか。GUIのプログラムもPHPで書きたいんですかそうですか。PHP以外の言語はやらないんですかそうですか。だったらせめてまともにPHP使えるようになってくれませんかね。

 クラスとかSEが書けばいいんじゃないの(もちろん放言)。
 functionとか美しいと思うけどなクロージャ楽だし(半分放言)。
 PHPって言語?(もちろん放言)。

これ日本では話題にならないのだろうな

 ⇒Drop of Flu Vaccine Under Tongue Bars Infection - washingtonpost.com

A drop of vaccine placed under the tongue might one day ward off the flu.
 
Not only would the new method, so far tested only in mice, be more convenient, it also appears to be more effective than the flu shot or nasal spray, the South Korean researchers noted.

弾小飼力

 炸裂⇒404 Blog Not Found:タイトルは孔明の罠 - 書評 - ウェブ国産力

いつもの献本がないのでどうしたのかな、と思っていたら、単なる事務エラーだった模様と連絡あり。久しぶりに自腹で佐々木本を買った。

 ほぉ。

ついでに

 ⇒404 Blog Not Found:「PHPなめんな」と「(Perl|Python|Ruby)をなめんな」の違い
 「自然言語」のところにツッコミはしない。
 さて。
 プログラミング言語なんだけど、まあ、この手の議論は昔からいろいろある。私の世代で言えば、構造化とかPascalとか。そのうち、Javaな世界になったのだけど。
 今振り返ると、Javaって存外に実用言語なのな。つまり、現場でのニーズでできているというか。CとかC++のほうがそれっぽく思えないことはないけど。
 で、Cとかアセンブラは依然全然変わらない。ただ、そういうのはプログラミング言語っていうことでもないし。
 ただ、あれ、インタフェース実装とかになると言語とかの問題より、設計技法とかになるわけで、あとはどの言語つかいましょうかは経営の問題でしょう。
 っていうか、そればっかしだよね。
 なんか思考をブーストするような言語ってないのかなと思うけど。

ま、そうなんですよね

 ⇒新左翼とは何だったのか - 池田信夫 blog

インターネットを生み出した「サイバーリバタリアン」は、実はハイエクフリードマンとは対極にある、60年代の対抗文化から出てきたものだ。John Perry BarlowやJohn Gilmoreなどは、学生運動ドロップアウトしたヒッピーである。それは政治運動としてはナンセンスだったが、彼らがインターネットという「トロイの木馬」に忍び込ませたラディカルな自由主義のウイルスは、今や世界中に広がり、資本主義を食い尽くそうとしている。

 というかJohn Gilmoreだね。
 ⇒John Gilmore (activist) - Wikipedia, the free encyclopedia
 つまり、WELLだし、EEFだと。あまりこのあたりのことはきちんと語られたことがないような気がする。
 あと、もう一つの流れとしては、Sir Timothy John Berners-Lee、Sirつけとこ。
 で、CERN なわけですよ。そして、NeXTなわけですよ。さらにBill Atkinsonもちょっと関係している。このあたりも広義に、60年代カウンターカルチャーでもあるけど、ユニバーサリズム的な点はEU的なエートスに近い。
 このあたりもあまりきちんと語られたことがないような気がする。