今日の大手紙社説
特になし。
自分を取り巻く、なんか内政も国際政治もどうでもいいやみたいな嫌悪感というか憂鬱感はある。太平の眠りを覚ますなんとやらがやってきて目を覚ますのもろくでもないが。
日経社説 深刻さ増す欧州の金融・経済 : NIKKEI NET(日経ネット)
欧州のほうが問題でしょとは思う。ただ、大局的には乗り越えられるのではないか。
日経社説 電子納税の普及へ国民番号の導入を : NIKKEI NET(日経ネット)
以前なら反対の声があっただろうがしだいに消えたように思う。日本も変わったな。
毎日社説 社説:米軍アフガン増派 成功への戦略を知りたい - 毎日jp(毎日新聞)
標題はアイロニーかと思ったら微妙なところ。どちらかといえば、私はこれでオバマは躓くと思う。
ブッシュ政権の外交軍事はライスがグリップする前後で大きく違い、ブッシュ自身はライスやパウエルに実際には近かった(ブッシュはパウエルに心酔していた)。そして後半のライスは慎重に外交をした。その成果はじわっとあり、イスラエルのガザ侵攻ではアラブを実質沈黙させた(それがよいということではないが)、そして中央アジアや中国の問題でも微妙な采配を振るった。ただ、結果は出なかった。イラク戦争は日本では否定的な評価が多いし、私もそれを肯定的に評価するものではないが、否定評価にはクルド問題とスンニ派対応の視点が抜けていることが多く、あまり傾聴すべきものはない。実際のところスンニ懐柔と増派によって内政の構造は変わり、マリキ政権が生き返ったかのようだが、むしろこの先のほうが危うい。毎日社説は「アフガン国民」とざっくり言うが、こちらの内部は非常に複雑だ(日本人はハザラ人のことすらあまり知らないようだ)。
ブッシュ政権が多用した善悪二元論のように「ソ連軍の侵攻は悪で、米軍の駐留は善だ」と言っても、納得しないアフガン国民は少なくあるまい。
私はブッシュのイラク侵攻を是としなかった(非ともしなかったが)。どちらかといえば、サウジを脅かすフセインの存在への対応としてやむをえぬもののとしての共感はあった。今回のオバマについても、私は是とも非ともしない。直接的には日本国民に問われている問題ではないからだ。ただ、間接的にはより問われていることにはなるだろう。では日本はどう答えるかというなら、私は往年の小沢の答えが答えなのだろうと思うが、まさにそこがわからなくなった。国民新党や社民党連立した政府というもののリアリティは私にはない。
毎日社説 社説:麻生内閣 「早く退陣を」が国民の声だ - 毎日jp(毎日新聞)
そうでもないと思う。退陣した結果がなにも見えないし、世論では小沢に託すというふうでもなければ自民党の頭をすげ替えろでもないようだ。つまり、国民も困っている。
朝日社説 景観の価値―鞆の浦架橋で試される : asahi.com(朝日新聞社):社説
これもほとんど関心のない話題だが、そもそもポニョにはその意図が多少なりあったような話も聞く。
景観についてはよくわからない。私は50歳になってしまったし、そして30代から40代事実上東京にいなかったし云々、このところ懐かしい風景を探しに東京や郊外の街を散歩することがある。ここに山桜の見事な樹があったのにない、というとき、じーんと泣きたいような気持ちになり、そして山桜の霊とでもいうようなものを少し感じた。人間にあの桜の木を切る権利なんかあるわけないだろうと思うが、それを守ろうとした人が死んだということかもしれない。反面、変わらぬ銀杏を見ると、その変わりのなさにまた泣きたいような頼もしいような気持ちもあった。
雨
このところぼうっとしている時間つい考え込んでしまう問題があって(社会問題とか人生の問題とかではなく工学的なこと)、そのせいかとても心が浅薄というかさらさらと時が過ぎていく。夢も覚えていない。が、がというのも変だが、老いることに奇妙な焦りと心理的な逃避感はある。昨日、人からはてなのアノニマスダイアリーの話を聞いて、というか私が似たような話題をしたせいものあるのだろうが、「あの話」と切り出されてもそれを私は読んでいなかった。少し気になってその話を探して読んでみると、なるほどこれは私の知っている人である。驚いたというのでもないが、何か伝えたいような思いもあり、呆然というのでもないがいろいろ物思いに沈んだ。自分なんてたいした人生を歩んでいないが、それなりの修羅場のようなものもあり、それを経て思うことがあるにはある。ただ、その人にもその人の人生があるだろう。が、と、ここでまた思いに沈む。他にもなんとなく気にかけていた人たちが、この春に新しい人生のスタートを切る話も聞く。がんばってと励ましたいような気持ちと、自分はそんな立場にはないだろうと鬱く沈んで黙っている自分がいる。
よくわからないがぶくまのシステムが使いづらくなった
使いづらくなって別段困るわけでもないが、JSはバグっているみたいだが。
へぇ
浅田彰が紹介したのは以下の本だ。
「饗宴」プラトン
「ユートピア」トマス・モア
「グラマトロジーについて 上」ジャック・デリダ
「グラマトロジーについて 下」ジャック・デリダ
「アンチ・オイディプス」ジル ドゥルーズ (著), フェリックス ガタリ
「オイディプス王」ソポクレス
「パウル・ツェラン全詩集〈1〉」パウル・ツェラン
「パウル・ツェラン全詩集〈2〉」パウル・ツェラン
「パウル・ツェラン全詩集〈3〉」パウル・ツェラン
浅田彰さんにはほとんど関心を失ってしまったが、がというのは、そうしてみて、なかなかよい趣味の色気のようなものを感じる。このリストが本当かどうかわからないが、これで何を伝えたいかはわからないでもないな、と。
晩年の折口信夫と加藤守雄のことをふと連想した。
⇒「 わが師折口信夫 (朝日文庫): 加藤 守雄: 本」
野暮は、なしとして
⇒読書の賢人|企画・制作=日本経済新聞社クロスメディア営業局
野暮は、なしとして。
賢人はたぶん、古書を読むと思うよ。
あるいは、古書を読み飽きたということかな。
読書というのは、亀井勝一郎も言っていたけど、古人との交わりの時を持つということですよ。おセックスと同じ、速読なんかもったいない。
そういえば心理学の本でお勧めしたいとすれば
⇒H-Yamaguchi.net: 読んでないけど読んでみたい心理学の本を20冊
その出版社じゃないけど。
スキナーの心理学―応用行動分析学(ABA)の誕生: ウィリアム・T. オドノヒュー, カイル・E. ファーガソン, William T. O’Donohue, Kyle E. Ferguson, 佐久間 徹 |
スキナーの研究の概説書, 2006/1/6
By ryo - レビューをすべて見る
B.F.スキナーの業績は、学習心理学、行動分析学や行動療法の研究、シングルケース研究法、言語の研究等々で欠かせない。 そのスキナーの数多くの研究を要約している。 スキナーの生い立ちや哲学的背景にもふれている。 スキナーに対しての噂についても論じている。 とくに心理学や関連領域の大学院生にとっては、読んで損はない一書だろう。
お勧めしたいけど。
週刊新潮の襲撃犯手記その後
⇒asahi.com(朝日新聞社):週刊新潮「本社襲撃犯」手記 「真実性なし」本社判断 - 関西ニュース一般
⇒朝日新聞:週刊新潮の襲撃犯手記「真実性なし」 - 毎日jp(毎日新聞)
⇒朝日新聞、阪神支局襲撃事件で検証記事 「手記に真実性ない」 : NIKKEI NET(日経ネット)
新潮社「週刊新潮」編集部は「朝日新聞の検証記事は、襲撃現場の状況について、当時の記者の記憶で『再現』したものと異なる証言だから事実ではない、と決めつけている。手記で『秘密の暴露』や『物証』にあたる部分はすでに提示しており、あとは捜査当局の判断を待つだけだ」などとしている。(
新潮の記事だが、4回読んだ。印象としては尻つぼみだが、途中ちゃちゃに入った文春はしくじった形になっているのが面白かった。
真相については、印象としては、新潮がガセのようには思えた。が、逆にそのちゃちな作りが新潮側としてのフカシではないとも言えるのだろう。
朝日の反論に対して来週新潮側から再反論がなければこれは、新潮の人騒がせで終わるだろう。
総じて、朝日としては新潮の4回連載を待つかたちで相応の対応をしたわけで、それは評価できるものとなった。
追記
⇒週刊新潮「朝日『阪神支局襲撃犯』手記」への疑問 (山口一臣の「ダメだめ編集長日記」)
⇒週刊新潮「朝日『阪神支局襲撃犯』手記」への疑問(2) (山口一臣の「ダメだめ編集長日記」)