日経春秋 春秋(2/23) : NIKKEI NET(日経ネット)

 昔「金八先生」を見ていたころ、武田が山頭火をよく引いていたが、あまりその影響はなかったようだった。山頭火や放哉には固定のファンがあるせいか、逆に私などは思いが引く。
 荻原井泉水は大きな存在だったが、近年あまり聞かない。
 ⇒荻原井泉水 - Wikipedia
 金子兜太は井泉水を継いだ面もあった。
 現代俳句と現代詩は昭和で途絶したな。

毎日社説 社説:米軍アフガン増派 成功への戦略を知りたい - 毎日jp(毎日新聞)

 標題はアイロニーかと思ったら微妙なところ。どちらかといえば、私はこれでオバマは躓くと思う。


 ブッシュ政権が多用した善悪二元論のように「ソ連軍の侵攻は悪で、米軍の駐留は善だ」と言っても、納得しないアフガン国民は少なくあるまい。
 ブッシュ政権の外交軍事はライスがグリップする前後で大きく違い、ブッシュ自身はライスやパウエルに実際には近かった(ブッシュはパウエルに心酔していた)。そして後半のライスは慎重に外交をした。その成果はじわっとあり、イスラエルのガザ侵攻ではアラブを実質沈黙させた(それがよいということではないが)、そして中央アジアや中国の問題でも微妙な采配を振るった。ただ、結果は出なかった。イラク戦争は日本では否定的な評価が多いし、私もそれを肯定的に評価するものではないが、否定評価にはクルド問題とスンニ派対応の視点が抜けていることが多く、あまり傾聴すべきものはない。実際のところスンニ懐柔と増派によって内政の構造は変わり、マリキ政権が生き返ったかのようだが、むしろこの先のほうが危うい。毎日社説は「アフガン国民」とざっくり言うが、こちらの内部は非常に複雑だ(日本人はハザラ人のことすらあまり知らないようだ)。
 私はブッシュのイラク侵攻を是としなかった(非ともしなかったが)。どちらかといえば、サウジを脅かすフセインの存在への対応としてやむをえぬもののとしての共感はあった。今回のオバマについても、私は是とも非ともしない。直接的には日本国民に問われている問題ではないからだ。ただ、間接的にはより問われていることにはなるだろう。では日本はどう答えるかというなら、私は往年の小沢の答えが答えなのだろうと思うが、まさにそこがわからなくなった。国民新党社民党連立した政府というもののリアリティは私にはない。

毎日社説 社説:麻生内閣 「早く退陣を」が国民の声だ - 毎日jp(毎日新聞)

 そうでもないと思う。退陣した結果がなにも見えないし、世論では小沢に託すというふうでもなければ自民党の頭をすげ替えろでもないようだ。つまり、国民も困っている。

朝日社説 景観の価値―鞆の浦架橋で試される : asahi.com(朝日新聞社):社説

 これもほとんど関心のない話題だが、そもそもポニョにはその意図が多少なりあったような話も聞く。
 景観についてはよくわからない。私は50歳になってしまったし、そして30代から40代事実上東京にいなかったし云々、このところ懐かしい風景を探しに東京や郊外の街を散歩することがある。ここに山桜の見事な樹があったのにない、というとき、じーんと泣きたいような気持ちになり、そして山桜の霊とでもいうようなものを少し感じた。人間にあの桜の木を切る権利なんかあるわけないだろうと思うが、それを守ろうとした人が死んだということかもしれない。反面、変わらぬ銀杏を見ると、その変わりのなさにまた泣きたいような頼もしいような気持ちもあった。

朝日社説 個人情報流出―制裁は刑罰より賠償で : asahi.com(朝日新聞社):社説

 そのニュースは知らなかったしあまり関心もないが。

 流出したのは、県教委が授業料徴収システムの開発を委託した民間企業にあずけたデータだった。この会社は別の会社に下請けに出し、この下請け会社の社員のパソコンから、ファイル共有ソフトを通じて流出した。それを第三者の誰かが、さらにファイル共有ソフト上に発信したため、流出が拡大してしまったらしい。

 ざっくりと経緯を見ると、下請け会社の問題だし、下請けという構造とコンプライアンスの問題というだけに思えるが。というか、もうちょっというとつまり、それって県教委の問題でしょ。

 このところぼうっとしている時間つい考え込んでしまう問題があって(社会問題とか人生の問題とかではなく工学的なこと)、そのせいかとても心が浅薄というかさらさらと時が過ぎていく。夢も覚えていない。が、がというのも変だが、老いることに奇妙な焦りと心理的な逃避感はある。昨日、人からはてなアノニマスダイアリーの話を聞いて、というか私が似たような話題をしたせいものあるのだろうが、「あの話」と切り出されてもそれを私は読んでいなかった。少し気になってその話を探して読んでみると、なるほどこれは私の知っている人である。驚いたというのでもないが、何か伝えたいような思いもあり、呆然というのでもないがいろいろ物思いに沈んだ。自分なんてたいした人生を歩んでいないが、それなりの修羅場のようなものもあり、それを経て思うことがあるにはある。ただ、その人にもその人の人生があるだろう。が、と、ここでまた思いに沈む。他にもなんとなく気にかけていた人たちが、この春に新しい人生のスタートを切る話も聞く。がんばってと励ましたいような気持ちと、自分はそんな立場にはないだろうと鬱く沈んで黙っている自分がいる。

へぇ

 ⇒必読書 浅田彰

浅田彰が紹介したのは以下の本だ。
「饗宴」プラトン
ユートピア」トマス・モア
「グラマトロジーについて 上」ジャック・デリダ
「グラマトロジーについて 下」ジャック・デリダ
「アンチ・オイディプス」ジル ドゥルーズ (著), フェリックス ガタリ
オイディプス王」ソポクレス
パウル・ツェラン全詩集〈1〉」パウル・ツェラン
パウル・ツェラン全詩集〈2〉」パウル・ツェラン
パウル・ツェラン全詩集〈3〉」パウル・ツェラン

 浅田彰さんにはほとんど関心を失ってしまったが、がというのは、そうしてみて、なかなかよい趣味の色気のようなものを感じる。このリストが本当かどうかわからないが、これで何を伝えたいかはわからないでもないな、と。
 晩年の折口信夫と加藤守雄のことをふと連想した。
 ⇒「 わが師折口信夫 (朝日文庫): 加藤 守雄: 本」

野暮は、なしとして

 ⇒読書の賢人|企画・制作=日本経済新聞社クロスメディア営業局
 野暮は、なしとして。
 賢人はたぶん、古書を読むと思うよ。
 あるいは、古書を読み飽きたということかな。
 読書というのは、亀井勝一郎も言っていたけど、古人との交わりの時を持つということですよ。おセックスと同じ、速読なんかもったいない。

言語消滅危機回避の試み

 ニュース⇒asahi.com(朝日新聞社):世界2500言語消滅危機、ユネスコ「日本は8語対象」 - 社会
 回避の試み⇒おきなわBBtv★沖縄の方言ニュース★沖縄の「今」を沖縄の「言葉」で!ラジオ沖縄で好評放送中の「方言ニュース」をブロードバンドでお届けします。

そういえば心理学の本でお勧めしたいとすれば

 ⇒H-Yamaguchi.net: 読んでないけど読んでみたい心理学の本を20冊
 その出版社じゃないけど。

cover
スキナーの心理学―応用行動分析学(ABA)の誕生: ウィリアム・T. オドノヒュー, カイル・E. ファーガソン, William T. O’Donohue, Kyle E. Ferguson, 佐久間 徹

スキナーの研究の概説書, 2006/1/6
By ryo - レビューをすべて見る
B.F.スキナーの業績は、学習心理学行動分析学や行動療法の研究、シングルケース研究法、言語の研究等々で欠かせない。 そのスキナーの数多くの研究を要約している。 スキナーの生い立ちや哲学的背景にもふれている。 スキナーに対しての噂についても論じている。 とくに心理学や関連領域の大学院生にとっては、読んで損はない一書だろう。

 お勧めしたいけど。

まあね

 ⇒

俺は同窓会に行ったことがない
案内も来ない
何回か引っ越したからな
みんな何やってるんだろう
成功していたら辛いなと思う
何か引き離された感じがしてさ
こっちは恋人いないし金もないし
外見もめっきり老けて酷いし
多分俺は気づいてないだけで、俺を街かなんかで見かけて、「あっ、何々君だ」って見かけてる人もいると思う
恥ずかしいね
情けないだろ、俺は今こんなにしょぼくれちゃってんだ

 先日、「紀伊國屋書店で見かけましたよ」とか言われて、すげードキっとした。「なにか難しそうな本をもってレジに並んでいましたよね」。そうかな。

週刊新潮の襲撃犯手記その後

 ⇒asahi.com(朝日新聞社):週刊新潮「本社襲撃犯」手記 「真実性なし」本社判断 - 関西ニュース一般
 ⇒朝日新聞:週刊新潮の襲撃犯手記「真実性なし」 - 毎日jp(毎日新聞)
 ⇒朝日新聞、阪神支局襲撃事件で検証記事 「手記に真実性ない」 : NIKKEI NET(日経ネット)

 新潮社「週刊新潮」編集部は「朝日新聞の検証記事は、襲撃現場の状況について、当時の記者の記憶で『再現』したものと異なる証言だから事実ではない、と決めつけている。手記で『秘密の暴露』や『物証』にあたる部分はすでに提示しており、あとは捜査当局の判断を待つだけだ」などとしている。(

 新潮の記事だが、4回読んだ。印象としては尻つぼみだが、途中ちゃちゃに入った文春はしくじった形になっているのが面白かった。
 真相については、印象としては、新潮がガセのようには思えた。が、逆にそのちゃちな作りが新潮側としてのフカシではないとも言えるのだろう。
 朝日の反論に対して来週新潮側から再反論がなければこれは、新潮の人騒がせで終わるだろう。
 総じて、朝日としては新潮の4回連載を待つかたちで相応の対応をしたわけで、それは評価できるものとなった。
 
追記
 ⇒週刊新潮「朝日『阪神支局襲撃犯』手記」への疑問 (山口一臣の「ダメだめ編集長日記」)
 ⇒週刊新潮「朝日『阪神支局襲撃犯』手記」への疑問(2) (山口一臣の「ダメだめ編集長日記」)