毎日社説 社説:米軍アフガン増派 成功への戦略を知りたい - 毎日jp(毎日新聞)

 標題はアイロニーかと思ったら微妙なところ。どちらかといえば、私はこれでオバマは躓くと思う。


 ブッシュ政権が多用した善悪二元論のように「ソ連軍の侵攻は悪で、米軍の駐留は善だ」と言っても、納得しないアフガン国民は少なくあるまい。
 ブッシュ政権の外交軍事はライスがグリップする前後で大きく違い、ブッシュ自身はライスやパウエルに実際には近かった(ブッシュはパウエルに心酔していた)。そして後半のライスは慎重に外交をした。その成果はじわっとあり、イスラエルのガザ侵攻ではアラブを実質沈黙させた(それがよいということではないが)、そして中央アジアや中国の問題でも微妙な采配を振るった。ただ、結果は出なかった。イラク戦争は日本では否定的な評価が多いし、私もそれを肯定的に評価するものではないが、否定評価にはクルド問題とスンニ派対応の視点が抜けていることが多く、あまり傾聴すべきものはない。実際のところスンニ懐柔と増派によって内政の構造は変わり、マリキ政権が生き返ったかのようだが、むしろこの先のほうが危うい。毎日社説は「アフガン国民」とざっくり言うが、こちらの内部は非常に複雑だ(日本人はハザラ人のことすらあまり知らないようだ)。
 私はブッシュのイラク侵攻を是としなかった(非ともしなかったが)。どちらかといえば、サウジを脅かすフセインの存在への対応としてやむをえぬもののとしての共感はあった。今回のオバマについても、私は是とも非ともしない。直接的には日本国民に問われている問題ではないからだ。ただ、間接的にはより問われていることにはなるだろう。では日本はどう答えるかというなら、私は往年の小沢の答えが答えなのだろうと思うが、まさにそこがわからなくなった。国民新党社民党連立した政府というもののリアリティは私にはない。