曇り

 月曜日だが祝日。そのせいかひと気がない。これから晴れるようだ。▼夢は。現代の貧困の映像を撮影することになり、私の実家の地域が選ばれる。あそこは貧困地域ではないと思うがと違和感を感じているが、もうあれから何年経ったと思うのですと、別のディレクターに言われる。私はディレクターらしい。そういうなら行ってみるかと車を飛ばすのだが、風景が違う。たしかに貧困地域なのだが私の家はないだろうと思うと、ある。しかもこれは建て替え前の古い家だ。なるほど、しかし変なものだなと思うが、撮影いいですかと聞かれる。役所の許可とっているならいいよ答えると、道路を掘り返すトラクターが出てくる。貧困映像になぜトラクター、しかも道路造成? どういうことなんだときくと、これから発展していくという光景が貧困らしくていいのと力ある映像が欲しいのですという。後ろにどうしたんです、と、私を呼びかける老人がいる。以前の職場で嘱託をしていたNさんだ。いやご迷惑を掛けます、いつもと答えるが、Nさんが随分と老けている。Nさんはうちも近所なんです、お菓子でもどうですかと勧められる。Nさんの家の縁側でぼうっと準備とやらの道路工事を見ていると、アシスタントたちが道になにか絵を描き出し、その上にローラーをころがしている。なにしているの?ときくと、これから道でスタンプを作るんですよという。なぜ? ほらといって、今度は半紙を丸めたようなトラクターが現れて、道の進める。アンパンマンかなにかの芋版のようなものがローラーに取れる。これが貧困の映像なのか。最近の若い人の考えることはわかりませんねと、私はとりあえすNさんとお茶をすする。