朝日社説 天下り―あっせん禁止では不十分

 だが、変わったのは形式だけだった。センターが昨年末の発足から8月末までにあっせんした幹部公務員172人のうち、81人は出身省庁が所管する公益法人天下りしていた。
 鳩山政権は、省庁かセンターかを問わず、あっせん自体をやめるという。厳しく臨む姿勢は評価したい。
 ただ、あっせんは天下りを支える手法のひとつに過ぎない。あっせんを受けず、官僚OBが直接、後輩を呼び寄せる「裏ルート」も存在する。
 仮にあっせんの禁止で「押しつけ」色が薄れたとしても、企業などの側が有利な取り計らいや情報を期待して迎え入れるケースは、今後も続くに違いない。そこに切り込まない限り、天下り問題は終わらない。

 そこはそれほど問題でもないと思うが。

 もっと根本的には、官僚の働き方を変える必要がある。定年を段階的に65歳まで引き上げ、年金受給開始まで勤められるようにするのもそのひとつだ。ただ、官僚が霞が関にこもるのもよくない。
 官僚が民間で経験を積み、民間から有為な人材が省庁に入る交流を進めたい。省益にとらわれない人材育成は、天下りをなくす土壌にもなる。

 「定年を段階的に65歳まで引き上げ、年金受給開始まで勤められるようにする」のは、まさか現行の給与体系のママのわけにはいかない、つまり、減給にするのだが、できるのだろうか? また、これによって公務員は一万人増える。そこに「民間から有為な人材が省庁に入る交流を進めたい」というがどうやって人材を突っ込むのだろう。
 こういうばかばかしいパズルをいつまでやっているのだろうか。