毎日社説 社説:沖縄戦学習 力合わせ実りあるものに - 毎日jp(毎日新聞)

 沖縄戦は実際に現地で自分で調べた範囲ではかなり重要なことが依然わかっていない。古老の証言からは、通説と違う証言もある。
 部分によっては右派左派にとっても都合の悪いさまざまなディテールがあり、こうしたイデオロギー的な枠組みをいったん除いたほうがいいと思うのだが、そうもいかないのだろう。

 学童疎開船「対馬丸」撃沈の惨劇。そして今の中学、高校生の年代に相当する男女学徒らを「鉄の暴風」と呼ばれる戦場に動員した沖縄戦は、学校教育の場で児童生徒の心をより深くとらえ、考えさせる。
 一般住民を巻き込み、犠牲を強いる総力戦。本土決戦準備のための時間稼ぎをする「捨て石」とされた沖縄戦は、最後は住民も見捨て、集団自決にも追い込んだ。さらに戦後の米軍統治、復帰後も続く広大な基地の圧迫。今もあの戦いの延長上に沖縄はある。

 対馬丸には以前少し触れた。
 ⇒極東ブログ: 対馬丸メモリアルデー
 このころはまだ自分は沖縄生活の精神的な延長があったので、きつく書いた。今ならこうは書かないだろう。
 あと本土の沖縄学習でこれはどうにかしてほしいなと思うのは、「さらに戦後の米軍統治、復帰後も続く広大な基地の圧迫」という本土的な視点ではなく、戦後日本が米国から独立した52年から72年まで日本国から見捨てられた沖縄米軍統治時代とはなんだったかを本土の人が学習しないと、いつまでたっても現代の沖縄理解など得られない。
 もうすこし踏み込んで言うと、戦争体験の沖縄の世代と、団塊世代に相当する沖縄の世代、さらに復帰後世代に横たわる奇妙な断層があり、その少なからぬ部分が、本土イデオロギー的な枠組みの色合いを持ち、それでいながら各層で、沖縄の人たちは、どうもそれは実感としては違うと思っている。あえて言えば、戦前の皇民化の正義と戦後の本土平和イデオロギーの正義も、どちらも沖縄の歴史体験の実感とのズレをいごこち悪く感じている。
 池宮城秀意のこれはよく読まれているが。

cover
戦争と沖縄 (岩波ジュニア新書): 池宮城 秀意
 こちらの部分が見落とされがち。
 ⇒「 ヤマト嫌い―沖縄言論人・池宮城秀意の反骨: 森口 豁: 本」
 ただ、同書で池宮城の全貌がよくわかるわけでもない。
 
追記

2008年07月01日 yingze 望むなら日本から独立すれば良い

 シーレーンと海域の大半を日本は失うことになるんだけど。