大手紙社説より
日経春秋 春秋(9/27)
そっくりの光景を、日本の安売り電器店で目にする。使用済みの携帯電話である。小さな体に高度な機能が詰まっているのは蝉と同じ。「お子様の玩具にどうぞ」などと書かれ、無造作に山積みになった携帯もまた、命の火が消えた哀れな「物体」であろう。日本が世界に誇る技術の結晶は、寿命が蝉ほどに短い。
何年もかけて地中で育った大切な技術である。掃いて捨てるように扱って無駄にしたくはない。
技術を捨てているわけではないですよ、というか、ほのぼのとしているけど、今日のコラムはボケ過ぎですよ。
日経社説 行き詰まったミャンマー軍政
これだが私は今一つ詳細がわからない。そして、これには中国問題とビルマの民族問題が潜んでいると考えている。後者の民族部分についてがとても気になる。
日経社説 分権を進めてこそ地域は生き返る
放言になってしまうのだが、分権を進めるとたぶん詰め腹になるのだろうと思う。そのあたりの、放言を越えたリアリズムが問われていいはずだが。
毎日社説 「署名なし死刑」 暴言に法相の資質を疑う
また言葉狩りかといううんざりした感じがする。特に。
人命を軽んじ、厳粛な法制度を冒とくする暴言である。
そう言ったとたんに宗教裁判が始まってしまう。
しかし、問題は、鳩山邦夫法相がそう「暴言」する背景を論じることが大切で。そこで、
報復のための人殺しに堕してはならず、ベルトコンベヤー式などと考えること自体が非常識極まる。
というときに、「報復のための人殺しに堕してはならず」の問題意識がこの社説では解かれていない。また、この問題は、死刑廃止論とは同一ではない。
関連⇒極東ブログ: 死刑確定囚が常時百人の時代
言葉狩りをするのではなく、そこに暴走させた構造をどう市民社会の知で解いていくかという提言をしていかなくては。
読売社説 フランス外交 国際政治にどんな影響があるか
この話なんだが、極東ブログのほうではすでにこうした傾向への潜行段階で書いているので、それ以上書く気があまりしない。
朝日社説 NHK改革―とんと晴れぬ橋本会長
朝日はNHKに含むものがあるからもっとひどい社説かなと思ったが、抑制されている。指摘もごく妥当。
毎日、この水準の社説が維持できるようになるといいのに。
朝日社説 ミャンマー―流血拡大を各国は防げ
ミャンマーの現状に対して、中国の責任は大きい。ミャンマーを通ってインド洋と結ぶパイプラインの建設を進め、沖合の天然ガスの試掘権も得ている。中国からの投資が経済の命綱になっており、影響力を行使できる立場だ。
それだけではない。国連安全保障理事会で今年1月、スー・チーさんの解放などを求める決議案を米英が提出したが、中国は「内政不干渉」を理由に、ロシアとともに拒否権を行使した。
このあたりネグっちゃうのかと思ったらきちんと書いている。朝日もちょっと変わってくるのか、中国のアレと連動しているのか。もっとも、なぜそのパイプラインというのは書いてないが、ここに書くべきことでもないだろう。
この国の軍は、戦前に日本軍の訓練を受けたビルマ独立義勇軍の流れをくむ。「独立の父」アウン・サン将軍が暗殺された後、62年にネ・ウィン参謀総長がクーデターで政権についた。長年の圧政への不満が88年に爆発。数十万人のデモがネ・ウィン氏を退陣させたが、軍が出動してデモに発砲し、3000人ともいわれる犠牲者を出した経緯がある。
まあ、それはそうなんだけど、今回の事態とはあまり関係ないか、別の歴史のほうが関係している。