曇天

 未明に眼が覚め(まあな)、それからぼんやりと思った。こうして未覚醒の意識に漂いながら自分が今何歳なんだろうと。もちろん、歳がわからないわけではないのだが、私の意識それ自体は不定な歳をさまよっている。起きあがり、窓の外を見ると曇天。この季節特有の憂鬱な日になるかもしれないなと少し思った。憂鬱といえば、昨日増田で嫁が鬱みたいな話を見かけた。ぶくまやコメントがぺたぺたあったが、本人は洒落にならない苦悩だろうなと思った。そういう日が人生にはなんどかある。というか人にもよるのかもしれないが。そしていつか過ぎていく。私は若いころつらいことが重なって一時期離人症っぽくなったことがあった(たぶんもう書いた)。それから数年に一、二度振り返るとひどい鬱だったなということがあった。鬱というのは意識の上の鬱で終わらない、というか鬱っぽい気分のうちはまだよい。ので、そのあたりで自分への対処を考えるくらいの知恵は付いてきたが、このところ季節のせいか、奇妙な多幸感もある。私は臆病な人間なので、幸せに浸っているとあとでひどい目にあうぞ警戒警戒とけちくさい心理が働くのだが、それでも最近はまあ身体がそれでも幸せっていう感じならそれはそれで受け取っておくか、またつらい日もあるだろうし、とか思うようになった。