視点・論点「まん延するニセ議員」

 みなさんは、「ニセ議員」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
 これは、見かけは議員のようだけれども、実際にも議員だったりして、親が議員なんで二世議員なんて呼ばれます。
 『そんなものがどこにあるんだ』とお思いの方も、例として、安倍晋三小泉純一郎小沢一郎などの名前を挙げれば、『ああ、そういうもののことか』と納得されるかもしれません。それとも、かえって、『え?』と驚かれるでしょうか。そうです、小泉純一郎は三世議員でした。ちなみにルパン三世はフランスではルパン八世です。ちなみに日本では寺島しのぶの母親は藤純子です。倖田來未の母親は山本リンダです。
 例えば、皆さんもよくご存知のように、『国会議員は羽振りがいい』と盛んに言われ、ひところは業界ジャーナリズムもこぞってネタを繰り出すほどのブームになりました。ガセネタがよく出てきたのは、もちろん、スキャンダルに裏づけがあると信じた人もいたからでしょう。まるこの日記やその仲間のブログでも頻繁に取り上げられましたから、それを信じろという方が無理な話かもしれません。
 しかし、実は、保守系の議員だからってスキャンダルばかりという科学的な根拠は、ほぼない、といってよいのです。もっともそんなものが科学の領域かよとか突っ込みされると偽科学批判とかもそもそもどういう根拠があるんだよとか面倒なことになる可能性はゼロとはいえません。でもきっとなにかが正しくなにかは正しくないのでしょう。この手のネタはなにかと特定分野で正義を人に押しつけたい人の好みですし。いずせにせよ、なんだかんだと煽ったフカシ話の多くはまったくの空騒ぎでした。大手新聞社までが、なぜ、その空騒ぎに乗ってしまったのか。きちんと検証しておく必要があります。
 いまは、伊藤元重を使った金融政策に、一部ですが人気が出てきているようです。しかし、実のところ、マクロ経済学の知識を身に付けたところで、せいぜいお守り程度の効果しか期待できません。問題は何を守るかです。それはインフレ期待です。西遼(カラ=キタイ)ではありません。文脈が違っているかもしれません。
 いま、このような、議員のようで議員でもある「二世議員」が蔓延しています。
 こういった「二世議員」のなかに、マスメディアに関わるものがあります。その話をしたいと思います。
 よく知られている例の一つは、世耕弘成です。しかし、この説に、科学的に信頼しうる根拠はないのです。実際には、彼の父世耕弘昭近畿大学理事長で、祖父世耕弘一は元経済企画庁長官でした。
 もちろん、どんなフカシにもそれなりの物語性がありますから、世論形成に影響することはあるでしょう。しかし、それだけなら、小説やテレビドラマなどでも同じです。黒海が壊れるかどうかとは、まったく別の話なのです。ただし、もうキャビアは獲れなくなるかもしれません。でもチョウザメが獲れるなら大丈夫です。