自殺というのは……

 社会学的に考察できる、というのをデュルケムが示した。っていうか、それが学問。

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自殺論: デュルケーム,宮島 喬
 
 その学問のアウトプットをすごく単純化すると。
 ⇒エミール・デュルケーム - Wikipedia

 デュルケーム社会学独自の対象とした「社会的事実」とは、個人の外にあって個人の行動や考え方を拘束する、集団あるいは全体社会に共有された行動・思考の様式のことであり、「集合表象」とも呼ばれている。つまり、人間の行動や思考は、個人を超越した集団や社会のしきたりや慣習などによって支配されるということである(たとえば、初対面の人に挨拶をすること、うそをつくのは悪いことだと考えることなどは、社会における一般的な行動・思考のパターンとして個人の意識の中に定着したものである)。
 彼は、個人の意識が社会を動かしているのではなく、個人の意識を源としながら、それとはまったく独立した社会の意識が諸個人を束縛し続けているのだと主張し、個人の意識を扱う心理学的な視点から社会現象を分析することはできないとして、タルドの心理学的社会学の立場を批判した。
 このような「社会的事実」を客観的かつ実証的に分析し、その実態を具体的な事例によって明らかにしようとしたデュルケームの意欲作が『自殺論』である。

 つまり、「個人の意識を源としながら、それとはまったく独立した社会の意識」という問題。