さてそれは何処へ

 ⇒My Life Between Silicon Valley and Japan - 近藤淳也・令子夫妻、シリコンバレーへ

近藤の頭の中にある時間軸は、ベンチャーキャピタル(VC)の持つ時間軸と全く違う。しかも、近藤は「カネに全く興味がない」わけではないのだが「カネよりも大切なものがある」という信念の前に徹底的に頑固だ。つまり、当面このはてなという会社は、VCからの資金調達はできないということである(絶対にVCと意見が衝突するから)。ならば、今の事業から生まれる黒字をきっちりと維持・拡大しながら、コツコツとその収益を再投資するというやり方の中で、時間はかかってもブレークスルーを生む、という道を志向しなければならない(ブレークスルーが生まれたあとで、もしその実現に本格的にカネがかかるということがわかったなら、そのときに改めて資金調達をどうすればいいかを考えればいい)。

 さてその壮大なドラマがあと十年後なのか、五年後なのか、二十年後なのか。
 「カネよりも大切なものがある」には、「はてな」が含まれており、その「はてな」は近藤さんの思いからは疎外して独自の命を持ち始めている。というか、ここに奇妙な文化的実験が進行しつつある。
 ネットのポップカルチャーは今どういう相なのだろうか。

  1. 2ちゃん
  2. ミクシ
  3. お芋畑(がんばれgooとかexciteとか)
  4. はてなぶいぶい

そんな感じだろうか。
 既存メディアに一番近いのはお芋畑だろう。
 別の実験場と化したはてなと、近藤さんの思い(+梅田さんの思い)が、どのようなブレークスルーを生み出すのだろうか?