先日柳澤桂子の話を聞きながら…

 いろいろ考えた。彼女がもう機械を外せば死ぬというとき、旦那もそれに同意したあたりの修羅場というか、一種の漆黒の地獄図みたいなものだ。ああいう時、男はなにを思うのだろう。
 以前、彼女の本で、旦那が「僕の人生は君のために幸福ではなかったよ」みたいな言葉があって、なんというか、ショックというのか、なんかすごい言葉を聞いてしまったなと思った。もちろん、それは愛の反対にあるものでもない。間違った男女の人生というものでもない。なんか、もうもう牛もうもうみたいなすごい世界だ。そして、先日聞いたその話。
 人生とか愛とかなんなのだろうね。世界の中心で愛を叫んでいるなんて甘ちょろいこっちゃとも思うが、ま、誰しも自己の人生の幻想性というのはそんなものか。