男というのは別れた女が思いを残してくれるとどこかで思っているものだが……

 そんな、ことは、ない。
 あったとしても、それは、まるで、別のなにか。アデルの恋の物語のごとく。
 しかし…、なにか、奇妙になにか心にひっかかるような気がするのはなぜなのだろう。
 若いころの失恋というのは、渦中にあると、失恋と思っているものだが、たいていは、一種の自然淘汰のようなもので、その先なんてものはないのである、ってか、あると、ろくでもないものがあるだけなのである。
 数年前だが、なぜ恋愛は4年半で終わるのかみたいな本があったが、そーゆーもんでもない。
 話がずっこけるのだが、雅子さんの病状はかなり悪いのではないか。というか、そういうかみさんを持った男とはなにか? 男がいくら愛していても、そりゃ、だめだよぉというのがQ.E.D.みたいな関係っていうのはなんなのだろう。よくわからないのだが、こーゆーなんか関係性のなかにキリスト教の原罪のようなものがあるようには思う。