吉本隆明が育児のことで…
親というものは完璧に子供を育てたかというとそうはいえない後ろめたさがあり、それが子供に通じるものだと、というようなことを言っていた。
なるほどなとは思った。
そういうことがありうるし、常態に近いとは思うが、それが真理だとは、だが、あまり思いはしない。
ヘルマン・ヘッセのシッダルタは私の愛読書だが…と書棚を見るにない。このなかで、老いたシッダルタは愛人のカマーラとの子に向き合うシーンがある。この小説は、率直に言えば、嘘くさい東洋哲学紛々であるが、この親子の絶望の物語は、美しい。
シッダールタ
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