終風日報編集後記 他者をメディアとする風潮

 紙面の話題がまばらな印象を受けた。それはそれでよいのだが、ニュース性に乏しいようにも思えたので微調整した。先日はもうちょっと大人っぽい艶みたいなトーンが出るといいかといろいろ調整したが無理だった。▼このところ個人攻撃というのでもないが「私(finalvent)」への評価を向けてくる人が少し増えている。私の提起した具体的な議論への批判なら具体的な対応も可能なのだが、それをすとっばして「私」が話題になるのには対応しようもない。ご自身のブログでfinalvent論でも展開されたらよいのではないか。▼矛盾した言い方になるが、私にはさして自己主張はない。政治思想などもあまりない。つまり凡庸なブロガーなので、そんなに私などを話題にしてくださらなくてもよい。が、そうは見えないのだろう。というあたりで、なにか、他者をメディアとして自分を主張したいのではないだろうか。▼自分に主張したいことがあれば、インターネットで主張できる世の中になった。ところが実際にはそうはいかない。そして、自己主張しているかに見える「人」というのがあたかも幻想のメディアのようになっていく。つまりメディアを求めるという気性がある。なるほどそれでは自己主張の内容があるわけもない。

日経新聞社説 対岸の火事でない「一人テロ」  :日本経済新聞

 「一人テロ」という視点は悪くないと思うが。

 テロを力だけで抑え込むことはできず、とりわけ組織のない一人テロは取り締まりや抑止が難しい。まずは警察当局などが、爆弾の材料となる薬品の流通を監視・規制するといった地道な対策に取り組むしかないだろう。加えて、ネット上などで展開される極端に過激な主張には社会全体がもっと神経質でありたい。

 ここは現実と違っている。今回の容疑者の1500ページの文書の大半はコピペでしかも、過激な主張だけをまとめたものではなかった。その点を極論するなら、過激な主張が過激な行動を生んだとも言い難い。また、過激な部分にはユナボマーもあったが、あれを最近の展開というのは無理がある。

朝日新聞社説 復興財源―所得税、法人税を軸に : asahi.com(朝日新聞社):社説

 消費税はひとまず脇に置き、所得税法人税を軸に検討してはどうか。被災した人や企業を対象から除きやすいし、所得税を納めていない低所得者や赤字企業は負担を免れる。
 この二つの税についても、震災前からの課題を整理しておく必要がある。
 今年度から実施する予定だった税制改革案は、与野党対立で中ぶらりんのままだが、具体案が示されている。所得税は一部の控除を縮小して課税を強化する。法人税では時代遅れの特別措置を縮小・廃止しつつ、税率自体は引き下げる。
 国の財政難を考えると、所得税増税はやむをえまい。一方、厳しい国際競争にさらされている企業の負担は軽くし、国内での雇用を守ってもらう。
 その上で、復興財源のためにそれぞれ臨時増税分を上乗せする。こうした二段構えで検討を進めることだ。

 そのほうがまだよいと思う。もちろん、これはこれでいろいろ問題はあるだろうけど。

20代で知っておきたいお金のこと

 釣られて⇒20代で知っておきたいお金のこと の要点まとめ〜ブクペ〜
 まあ、つまらないことが書いてある。
 ので、もうちょっと実用的な話でも。
 「20代で知っておきたいお金のこと」で重要なのは、親のカネことですよ。親がどういう資産と消費傾向をもっているかということ。20代は、親なんて「私のことじゃねーし」とかまだお子様みたいな幻想持っているから。
 若い世代の「お金について背負っているハンディの金額」なんかいくら気にしてもさしてどうにもならないので、くだらないルサンチマン描くより現実的に考えたほうがまし。正義に拘泥していても現実の自分の人生はさしてどうにもならないもの。
 「20代で貯金ゼロだと、一生お金が貯まらない」は大嘘。20代ならまだ自分に投資しないとその先細るばかり。ではどうやって投資するかというのが課題。つまり、そのカネどうやって捻出するのいうこと。これはこれで大きな問題。でも別問題。
 カネに懲りるのは20代でやっておくと吉。年代が上がるにつれ、厳しくひどくなっていく。難しいのは成功に見えるとき魔が潜むこと。世間に見えるのは成功者なんで、なんとなくやってけそうな気がするけど、地獄というのはあるもんで、見ておくほうがいい、というか、普通に親族見渡せば一人くらいはいるものでしょ。
 「逆に住宅や車などの大きい買い物にはしっかり時間をかける」は当たり前というか、30代の問題。これは前にも書いたけど、30代に2000万円くらい損するのは覚悟と決めたほうがいい。人生は過ぎていくものだから。(もうちょっというと2000万円くらいの原ナマといのを手に触れてみるといい経験だよ。)
 「貯金100万円!20代なら、まずここから始めよう」ではなく、そのカネが必要なら貸してくれそう人を探すか、借りる算段を考えたほうがいい。なんのためのカネかわからないカネをためるのは自己不安のバーターでしかなく、結局ネガティブな意味での保険にしかならない。実際、それではあまり保険にもならない。小ガネというのは幻想がしがみついて結局その幻想で空しく消えてしまうもの。
 「これからの時代に必須の3大ビジネススキル「英語」「ITスキル」「プレゼン能力」」 英語はできたほうがいいけど、どのくらいができるか目安があったほうがいいかもしれない。これ泥沼みたいな世界だから。ITスキルは不要。プレゼン能力も不要。ITは変わっていくし、プレゼン能力は自分のパーソナリティにあわせて現場で身につけていくものだから。ではどんなスキルが必要かというと、昔遠藤周作が言っていたけど、「屈辱に耐えること」。若い頃は自我が肥大していて矛盾しているから。屈辱に耐えていたらひどい目に遭うとかべたな批判されそうだけど、現実には逆で、脊髄反射しないほうが現実対応が取れる。「あ、それって屈辱じゃねーや、こいつらアホだわ」って冷静に至るクッションにするのな。
 「結婚式にかかるお金の平均は200万円」それは家柄とか知性によりけり。「子供1人にかかるお金は3000万円」まあ、そうなのかもしれない。ただ、親子というのをカネで算段するのは特定の階級の志向ではないかな。こうした問題はまさにどう生きるのという命題に従属する。
 「保険は積立型ではなく、掛け捨て型を選ぼう」まあ、それはそう。なので、具体的には捨てカネのキャパは決まるでさほど考えるほどの問題でもない。
 「老後に必要なお金は3000万円」これもいろいろ条件がある。20代に老後をどう考えるかというのは、案外難しい。関係ないと思っていたり、こんなふうに数字だけ浮いたりする。現実生きていくと、あたりまえなんだけど、20代のころの自分が50代に生きているわけではなく、それなりにいろいろ人生はボロボロになってくる。で、そのなかでどう生きるのかという話になる。
 「投資は「社会を豊かにする」行為」かどうかはわからない。原則論でいえば、邱永漢先生も言っていたけど、好景気でないときには凡人は儲からない。凡人の儲けというのは、知性の余計な分の対価というくらい。
 最後に。
 なんだかんだ言っても、まだまだ現代の20代の人は、つまり俺が親くらいの世代なわけだから、サラリーマン日本体制の家庭のなかで育っているので、頭が旧社会的。そんなこと言うと無駄な批判されるかもしれないけど、親のカネの循環とか読めてないとしたらやっぱりそう。
 これからの日本がそんなサラリーマン体制でやっていけるかというとそんな幻想持っているのは大手企業の労組左翼と公務員くらいなもの。
 現実は、30代以降の大人の男と大人の女のカネを巻き込んだどろどろした世界があるばかり。だから、意外と、恋愛とかしっかり考えることにカネの問題が従属したりする世界になると思うよ。