今日の大手紙社説

 ソマリア海賊が共通の話題。朝日のところに書いたが、たぶん、どうにもならない。どうにかなるならイラク特措法の時点でなんとかなっている、と、思う。まあ、それとこれとは話が違うという議論もあるのかもしれないが。
 これはよく整理されているかな、いま一つわからないが。
 これ⇒麻生総理、海賊対策にようやく重い腰上げる - 長島昭久 WeBLOG 『翔ぶが如く』

日経社説 報酬上げを介護職場再生に

 これはそういう方向でしかないのかとは思う。老齢になるにつれて貧富の差は激しくなる、が、団塊世代の高齢者はまだ辛うじて家族に組み入れられている。団塊世代くらいから下の世代が高齢者になるころ家族は崩壊していく。人生を投げ出す人はたぶん増えるのだろうと思うし、カネがあってそういう行動を取る人も出てくるだろう。

産経社説 【主張】ソマリア海賊 海自の抑止力に期待する - MSN産経ニュース

海警行動はとりあえずの措置といえる。だが、一定の抑止機能は発揮できる。護衛艦の根拠地をどこに置くかなどの準備を整える必要があるが、肝心なのはスピードだ。迅速かつ実効性ある対処ができるようにするには与党や関係省庁の協力は欠かせない。

 より現実論に近いように思えるが。
 が、というのは、こうしたしわ寄せで海自が巨大化している。このあたりはエモットのツッコミがきびしい、というか問題だなと思う。どうにもならないが。

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アジア三国志: ビル エモット, 伏見 威蕃

毎日社説 社説:海賊に自衛隊派遣 国会審議経た新法対応が筋だ - 毎日jp(毎日新聞)

 標題を見ると正論だと思う。でと読むと。

 自衛隊の海外派遣は、武器使用基準など十分な国会審議を尽くしたうえで、新たな法律で対応すべきである。

 それ以上はない。

朝日社説 海賊対策―事前に明確なルールを : asahi.com(朝日新聞社):社説

 そう考えると、防衛省内に慎重論が強いのも分からないではない。あいまいなまま派遣すれば、現場での混乱は避けられないからだ。大事なのは、事前にルールを詰めておくことだ。

 というが、立法は事実上無理。

 政府は、新規立法で海賊対策に乗り出すための法的な枠組みをつくるべく研究しているが、国会で法律を通すとなるといつ実現できるか、まったくメドが立たない。

 泥縄的には。

 そこで、自衛隊法に定める「海上警備行動」を発動し、自衛艦の派遣を急ぐ案が浮上した。海賊行為は犯罪であり、本来は海上保安庁が扱う問題だが、その能力を超える事態には自衛隊が出動できる仕組みになっている。
 具体的には、ソマリア沖を航行する日本の船舶に護衛艦が並走し、海賊の襲撃を防ぐことが検討されている。

 そして。

 まず、武器使用基準。海上警備行動の場合、威嚇射撃は可能だが、相手を攻撃できるのは正当防衛か緊急避難に限られている。海賊はロケット砲などの重火器を備え、護衛艦を攻撃してくる可能性もある。隊員の安全をどう確保するか、具体的に定めておかないといけない。
 また、守る対象はあくまで日本関係の船舶に限るのか。例えば、日本船が他国の船と船団を組み、それを護衛艦が守るケースも考えられる。現場の事情を踏まえて、現実的な方法を視野に入れる必要もあろう。

 ここで法的根拠のなさが露呈する。
 朝日としては。

 日本ができる協力は他にもある。マラッカ海峡の海賊対策で国際協力の実績がある海上保安庁の経験を生かすことも考えるべきだろう。

 というが対外的には説得力はない。

 問題の根本はソマリア情勢の混迷にある。そこに国際的な支援の手をどう差し伸べるか。それ抜きに海賊問題の解決はないことも忘れてはならない。

 そもそも論だが、これもそもそも論的な論難があり難しい。
 たぶん、どうにもならない。イラク特措法がどうにもならないように。ブッシュ叩きの人は多いが、ブッシュはけっこうこのあたり日本を大目に見ていたと思う。オバマではそうもいかないだろう。アフガンに加えて、アフリカにも乗り出すかもしれない、というか、ソマリアはアフリカだが。

ログイン・快晴

 窓の外に謹賀新年と付きそうな富士山の偉容が見える。
 昨日は正月物の買い出しに出かけた。まだ時期が早いのかそれほど混んでなくほっとした。あるいは、今年の年末は不況の煽りでしょぼいというだけかもしれない。ガソリンはだいぶ安くなったのでそうした面での落ち込みは減るだろうが、環境にとってよいことではないだろう。
 夢は見たが忘れた。ニュースでは不況の関連の話ばかり聞くし、街中も寂れたふうに見える。自分の人生も先細りだろうなと思うと心が沈む。若い日には絶望があったが、それは希望が実現されないという悔しさの裏打ちであったが、この年齢になるとそういう希望すらなく、よって裏打ちされる絶望も彩りが霞む。気分の持ちようでもあり、清貧にして心豊かに生きる転機とすべきかと思うが、そりゃ違うだろうという思いもあり、一様ではない。

所有権は変わるかな

 池信先生⇒所有という幻想 - 池田信夫 blog

トヨタの没落も単なる販売戦略の誤りではなく、「自家用車」という幻想の終わりの始まりではないか。

同じように浪費されているのはコンピュータだ。PCは1日のうち平均1時間も稼動していないだろう。これをつないで使う「クラウド」は、従来のハードウェアを所有するという考え方を変えて、必要なときだけ借りて使うものだ。

 そして。

今後100年を考えると、おそらく近代社会の基本的な枠組である所有権の意味が薄れ、情報資源は必要なときだけレンタルするしくみに変わっていくのではないか。このとき問題なのは、物と所有者が1対1に対応しなくなり、価格形成がむずかしくなることだが、それは資源や情報を共有する最善のシステムを実現することに比べれば大した問題ではない。価格メカニズムは、所有権という非効率な権利を効率的に配分するしくみにすぎないからだ。

 ここはかなり大きな枠組みというか、思想の問題だなと思う。
 以前触れたが。
 ⇒極東ブログ: [書評]ウェブは資本主義を超える(池田信夫)
 今日的な意味でのマルクス的な問題でもある。
 このあたりの問題と、国家がいくらでも札を刷れるという問題と併せて、大きなビューが取れると未来が見えてくるようにも思う。
 ただ、現実的には世界不況を終えて、Brics的な世界のもう一段の興隆を待つということで、恐らく世界思想的には30年くらいの停滞があるのではないか。その間に、主要都市の地震パンデミックイスラム人口の増大などの大きな要因もある。
 自分についていえば、未来を見ることなく死ぬだろうな。

NHKスペシャル|病の起源 第5集、第6集

 ⇒NHKスペシャル|病の起源 第5集 糖尿病 〜想定外の“ぜいたく”〜

特に日本人は、糖尿病になりやすい体質であることが分かってきた。血液中の糖を細胞に取り込み、血糖値を下げる働きを持つインスリン。このホルモンを分泌する、すい臓の能力が欧米人に比べ低いのだ。原因は縄文時代から近代に至るまで、数千年にわたる食生活にあるという。
さらに最近では、胎児期の栄養状態によって、糖尿病になりやすい体質が作られることも明らかになってきた。日本の若い女性たちの「やせたい」という願望が、将来の糖尿病患者を増加させる恐れも指摘されている。

 ⇒NHKスペシャル|病の起源 第6集 アレルギー 〜2億年目の免疫異変〜

農家のエンドトキシンの最大の発生源は家畜の糞。糞に触れることのない清潔な社会がアレルギーを生んだとも言える。

 面白かったかというと面白かった。
 ちょっとそこまで言えるかなという感じは所々に思った。