朝日社説 海賊対策―事前に明確なルールを : asahi.com(朝日新聞社):社説

 そう考えると、防衛省内に慎重論が強いのも分からないではない。あいまいなまま派遣すれば、現場での混乱は避けられないからだ。大事なのは、事前にルールを詰めておくことだ。

 というが、立法は事実上無理。

 政府は、新規立法で海賊対策に乗り出すための法的な枠組みをつくるべく研究しているが、国会で法律を通すとなるといつ実現できるか、まったくメドが立たない。

 泥縄的には。

 そこで、自衛隊法に定める「海上警備行動」を発動し、自衛艦の派遣を急ぐ案が浮上した。海賊行為は犯罪であり、本来は海上保安庁が扱う問題だが、その能力を超える事態には自衛隊が出動できる仕組みになっている。
 具体的には、ソマリア沖を航行する日本の船舶に護衛艦が並走し、海賊の襲撃を防ぐことが検討されている。

 そして。

 まず、武器使用基準。海上警備行動の場合、威嚇射撃は可能だが、相手を攻撃できるのは正当防衛か緊急避難に限られている。海賊はロケット砲などの重火器を備え、護衛艦を攻撃してくる可能性もある。隊員の安全をどう確保するか、具体的に定めておかないといけない。
 また、守る対象はあくまで日本関係の船舶に限るのか。例えば、日本船が他国の船と船団を組み、それを護衛艦が守るケースも考えられる。現場の事情を踏まえて、現実的な方法を視野に入れる必要もあろう。

 ここで法的根拠のなさが露呈する。
 朝日としては。

 日本ができる協力は他にもある。マラッカ海峡の海賊対策で国際協力の実績がある海上保安庁の経験を生かすことも考えるべきだろう。

 というが対外的には説得力はない。

 問題の根本はソマリア情勢の混迷にある。そこに国際的な支援の手をどう差し伸べるか。それ抜きに海賊問題の解決はないことも忘れてはならない。

 そもそも論だが、これもそもそも論的な論難があり難しい。
 たぶん、どうにもならない。イラク特措法がどうにもならないように。ブッシュ叩きの人は多いが、ブッシュはけっこうこのあたり日本を大目に見ていたと思う。オバマではそうもいかないだろう。アフガンに加えて、アフリカにも乗り出すかもしれない、というか、ソマリアはアフリカだが。