朝日 米大統領選―内向きの争いでは困る : 朝日新聞デジタル:社説

 まず原則だが、米国の大統領選挙がいかようになろうと、「困る」というのはおこがましい話である。かの国民が内向きの争いを好むならそれはそれというだけのことで、日本の市民が困るというなら原因がなんであれ内向きであることの結論の接面だけが問われる。

 共和党の候補者選びで目についたのが、財政面での「小さな政府」の主張や、宗教的な価値観を強め、穏健派との亀裂を深めた保守派の姿だ。
 イラクアフガニスタンの二つの戦争を戦う一方、景気低迷が生活を直撃する。
 その息苦しさが、政府のお金で経済の立て直しを目指す「大きな政府」路線のオバマ氏への反発となり、2年前の中間選挙では、財政削減や減税を求める保守草の根運動ティーパーティー(茶会)」が大きな影響力をふるった。
 今回、保守の訴えは大きな流れにはならなかった。
 ロムニー氏は、茶会や宗教的価値を重んじるキリスト教福音派といった保守派に嫌われた。

 どこを突っ込んでよいのか迷うほど絢爛豪華な無知といった印象もある。ネットの左翼さんもこの程度の認識しかないので、ぐったり疲れることがある。まあ、笑いもある。「政府のお金で経済の立て直しを目指す「大きな政府」」、なんとまあ。
 「ロムニー氏は、茶会や宗教的価値を重んじるキリスト教福音派といった保守派に嫌われた」も、保守派=福音派みたいなテンプレである。米国の保守派はそんな単純なものではないから紛糾しているし、つまるところカネの問題でもある。
 こういうこととか⇒大富豪5人が変えた米大統領戦、長引く共和党指名争いの裏事情 国際ニュース : AFPBB News
 話戻して。

 ともに弱みを抱えた2人の争いだが、目を向けるべきは国内だけではない。
 欧州危機や中東民主化など、世界は激動している。国際社会に大きな影響を与える国としての責任を示せる資質が、米国の指導者には求められる。

 執筆者はエジプトの状況を知らないだろうか。
 朝日と仲の良いNYTはこう⇒Egypt’s Military Masters - NYTimes.com
 簡単にいうと、オバマ政権はムバラク復活的な軍事支援を継続しているのである。