朝日新聞社説 放射性降下物―長い闘いを覚悟しつつ : asahi.com(朝日新聞社):社説

 ありゃりゃ。

 一つひとつの数字を見てパニックに陥るのは禁物だ。だが、甘くみるのはもっといけない。政府は急いで詳しいデータを集め、打つべき手を考えて適切な判断を下さなくてはならない。
 忘れるべきでないのは、原発災害などで漏れる放射能の影響は長い目でとらえる必要があることだ。
 いったん環境に放たれた放射性物質は回収が難しい。種類によっては長く大気にとどまり、土壌に残って放射線を出し続ける。セシウム137ならば半減期は約30年だ。それに接したり、体内にとり込んだりすると、悪さをする。環境中の値が基準より低くても、影響がまったくないわけではない。

 ホウレンソウの汚染はヨウ素が主体でこれの半減期は8日ほど。で、ヨウ素は子供だと甲状腺に貯まるので問題なので、たまる前に満たしておけというのがヨウ素剤なんだがまだその必要はない。
 セシウム137はヨウ素のように人体がためないのでたしか100日ほどで大半排出される。もちろん、その間の被曝はある。
 いずれにしても、まあ、文章量の制約はあるのかもしれないけど、「パニックに陥るのは禁物」とかいう割に、朝日新聞社説の説明がありゃりゃんのは困ったこと。

 たとえば、人体のDNAを傷め、がんを起こす可能性は数年から10年以上の時間尺度で考えなくてはならないといわれている。微少とはいえない放射性の降下物が広い範囲に散ると、長い年月を経て、人々の発がんの確率がほんのちょっと高まる。その幅はきわめて小さいので、一人ひとりはあまり神経質になることはない。
 だが、社会全体をみると、何人かが本来ならかからなくてもよいがんを発病する計算になる。だから、この「ちょっと」の上げ幅はできる限り小さくしなくてはならない。降下物が検出された地方の住民が受ける心理的な負担にも気を配る必要がある。
 私たちは、そんな現実と向き合うことになったのである。

 確率的影響をなんとかくだいて説明しようとしるのがわかるし、私が書いてもそうなってしまうかもしれないけど、これで通じるかな。
 放射性物質の汚染はADIの毒性とは考え方が違うので、基準値以下なら大丈夫とか言っている人たちも、実は、非科学なんだけど、まあ、このあたりでも、科学リテラシーが試されるところ。

 いま最も重要なのは、事故炉から大量の放射性物質が出ることを食い止めることだ。そしてその先には、環境と健康の被害を最小にするための長い闘いが待っている。

 で、どうやって食い止めるかに、れいの放水パフォーマンスが映像的に、非科学的に結びつている。これは、むしろ常識的に考えるとわかると思うけど、臭いもには蓋ではないけど、蓋をするしかない。では、蓋とは何か、どうするのかということを示さないと、議論にならない。という点でも、朝日新聞社説は残念な結論。