毎日新聞社説 社説:リビア情勢 「密室」下の弾圧やめよ - 毎日jp(毎日新聞)

 出遅れてボケている、しかたないのだろうけど。

 セイフ氏の危機感に満ちた演説の真意は不明だが、今後は抗議行動を内戦とみなし、市民であろうと容赦なく攻撃するという含みがあるなら言語道断である。

 すでに内戦と言ってよさそう。

 それにカダフィ大佐の人気も衰える一方とあっては、政変飛び火の条件はそろっていたと言うべきだ。80年代には米国から「中東の狂犬」と呼ばれた大佐は、90年代になると対米批判を控え、次第におとなしくなった。米英が88年の米パンナム機爆破事件についてリビアの関与を指摘し、91年の対イラク戦争湾岸戦争)に続いてリビア攻撃の可能性をちらつかせたからだろう。
 米ブッシュ政権大量破壊兵器を理由にイラク戦争に打って出た03年、リビア大量破壊兵器計画の廃棄を宣言して米国を喜ばせた。06年には米国がリビアに対する「テロ支援国」指定を解除した。しかし、カダフィ氏の対米姿勢の転換が国民の疑問を呼び、他方ではカダフィ一族への富の集中も顕著になって、人心はさらに離れることになった。

 ここが難しいところ。「人心はさらに離れる」というけど、一種の部族連合みたいなものだから、人心というより部族の論理になる。