おや、弾さんもわからなかったですか

 ⇒404 Blog Not Found:暴力ってなんだろ?

自衛隊暴力装置ではない。暴力装置は国家」って言われても、「SDカードは記憶装置ではない。記憶装置はパソコン」って言われているのと同じで、装置は装置で出来できている以上、「自衛隊暴力装置かつ日本国も暴力装置」の方が「どっちか片方が暴力装置」というより「非暴力的」にしか受け取れない。

 ここでいう「装置」は"device"ではないのな。
 だからなんども、"apparatus"と書いてきたのだけど。
 あれやこれやの道具を一組にした装置ということ。
 弾さん的な比喩でいうと、NASがあるとするね。これを、「なんたらWebシステム」にバックアップとして組み込むとしよう。
 すると、それまでは汎用のNASだったものが、特定のデータのバックアップにしか使えなくなる。これがこのNAS(device)を「なんたらWebシステム」の装置(apparatus)としたということ。
 で。
 前近代には、一つの国家内にいくつも軍があった。当然、これらは国家なんてしったことないよ、ということで勝手に暴力をふるう。この場合は、この軍は暴力組織でもあるし、歩兵や騎馬隊などを道具としてもつ軍装置でもある。
 ところが。
 ここに近代国家が出現すると、これらの各種の軍の暴力を、国家の軍の下に組み込んでしまう。と、同時に、この軍のもつ暴力の機能は、国家によって独占されてしまう。
 ⇒暴力の独占 - Wikipedia
 本当はすごい暴力が出せる軍なのに、国家から指示がないと暴力が発揮できない状態になる。逆にいえば、すごい暴力は国家が発動するようになる。
 この状態が、国家が暴力装置だ、ということ。(ついでにいうと、暴力の独占が暴力装置として理解されきた。)
 軍隊は道具にされてしまって自身では暴力が発揮できない。暴力を発揮するのは、国家という暴力装置だけだ、ということ。
 あと、国家によって道具とされるものには、警察という暴力もあるし、刑務所という暴力もある。各種の暴力を発する道具を一組として持っているから、国家が暴力装置、ということ。
 辞書を見てみよう⇒社会学小辞典で「暴力装置」を調べてみた - くじらのねむる場所@はてな

暴力装置 暴力を発動するため、諸機関が配置されていること。最高に組織化された政治権力である国家権力が、軍隊・警察・刑務所などを配置している状態などに用いる。現代ではこの装置が巨大化し、独走する危険性がある。

 「など」というのは「状態」以外に「機構」などがあるということで、軍隊が暴力装置だということではないよ、ねんのため。「暴力を発動するため、諸機関が配置」されるようにするのは国家。くどいけど、暴力の独占 - Wikipediaがあるから、暴力を発動できるのは国家だけになった。マックス・ヴェーバーは「国家が暴力行使への「権利」の唯一の源泉とみなされてるということ、これは確かに現代に希有な現象である」と言っている(「職業としての政治」より)。
 そして、国家が巨大化して暴走する危険性もある。この場合は、国家という暴力装置が暴走するという意味で、仙石さんが懸念していた自衛隊という暴力の組織が暴走するということではない。しいていうと、仙石さん、国家中枢にいるあんたが暴走すると危険だということ。
 これでわかってくれたかな。