日経 春秋

 五木寛之さんのエッセーに、国勢調査に答えあぐねる話があった。執筆が進まずにイライラしているとき、調査票が舞い込む。「なんだ、それは」と作家は奥さんに八つ当たりする。「それなら民勢調査と言うべきだ。そうじゃないか」
▼40年も昔の一編だが、この調査への返答があんがい面倒なこと、いまも変わらない。

 奥さん、お医者さんだった。女医さんね。