日経 春秋

ところが、ホメオパシーなる代替療法の世界ではそれが「病気を治す」らしい。植物や鉱物を100倍に希釈する作業を30回ほど繰り返す。いわば「那由他」倍に薄まるわけで、その水を染み込ませた砂糖玉を飲むのだという。

 ホメオパシーには軟膏とかもありますよ。
 ⇒A homeopathic ointment preparation compared with 1... [Explore (NY). 2005] - PubMed result
 戻して。

メリケン粉でも薬と信じれば病が癒えることがあるから、心理的な効果は期待できるかもしれない。

 誤差の範囲だけど、ホメオパシーはちょっとプラセボより高い。
 ⇒抗鬱剤は中度から軽度の鬱病には効かないという話: 極東ブログ
 ちなみに⇒はてなブックマーク - rhatterのブックマーク - 2010年3月7日

rhatter うわ、こんな印象操作する人なんだ。「ホメオパシーを肯定する論文を精査してもプラセボを越える効果は出ない」のがシャンの論文でしょ。「代替治療のトリック」のどこにも「似たような結論」なんて書いてない。 2010/03/07 ☆(Zarathustra1951-1967)☆(synonymous)

 いえ、印象操作なんかしてませんよ。シャンの論文についてシンは「平均してみると、ホメオパシーには、プラセボに比べてごくわずかながら効果が認められたのだ」と述べていますよ。きちんと「代替治療のトリック」を読みなさいな。

しかし「どんなに薄めても水が物質の存在を記憶している」と聞けば戸惑ってしまう。危ういのは現代医学を疑う信奉者がいることだ。

 ところがノーベル賞受賞物理学者がその主張を排除していませんよ。Brian David Josephsonです。そこでだからこそ、これは実験されて、ほぼ否定されました。最初から疑似科学だと決め込むこともまた疑似科学的な態度。
 これね⇒Water memory - Wikipedia, the free encyclopedia
 で、戻して。

危ういのは現代医学を疑う信奉者がいることだ。

 これが意味不明なんだけど、ある時点の現代医学は常に最新の知見で疑われていますよ。
 もいちど⇒抗鬱剤は中度から軽度の鬱病には効かないという話: 極東ブログ
 戻して。

新生児に必要なビタミンKを与えず、砂糖玉を飲ませる助産師も少なくない。

 これなんだが、少ないと思うのだが、実際の統計はどうなのか。そのあたり、ジャーナリズムはネットの放談ではないのだからきちんと数を追うべきではないのかな。
 あと日本の代替医療の場合漢方が問題。類似の分野でいうと⇒ツムラ漢方スクエア 漢方服薬指導Q&A
 漢方薬の認可は、伝統薬ということで一括されたため、有害性が十分にわかっていない。上のリンクも、現代医学の説明と漢方とが不用意にごちゃごちゃになっている。
 話戻して。

それでもじわじわと浸透しているのは、医療や病院のありようへの不信が根強いからでもあろう。那由他のもっと先の単位は10の64乗で「不可思議」という。そういう謎めいた境地に人々を迷い込ませないよう、医学も医療も責任は重い。

 つまりそういう問題、「医療や病院のありようへの不信」が根にある。それに対して、現代医学に信仰を持てというのもありといえばありだけど、ホメオパシーなんか不要にするような医療制度を市民がどう作るかということが課題。
 たとえば現代医学的に効果がある抗がん剤の公的補助で他が逼迫するときどこかで線引きが求められてしまう。では、その線引きがあるということは、外されて途方に暮れるけど、プラセボで我慢しなさいという部分も出てしまう。そういう問題こそ問題。