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 食事法というのを見ていくと、人間どこまで頭がおかしくなれるもんだろうと興味惹かれるが、その薄らとした狂気のぼやけた臨界を見つめていくと、なにやら宗教の臨界でもある。ある宗教では豚を食うなという。ある宗教では牛を食うなという。
 なんでぇ? 食えばいいじゃん、美味しいじゃんとか日本人は思う。が、かく言う日本人は、犬や猫は食わない。犬を食うのは医食同源のアジアの伝統文化でもあるが、食わない。食っちゃいけないとも日本人は思っていない。他のアジア人が食うのはかまわないと思っているし、日本人で食う人がいても不思議ではないなと思っている。知人は、犬肉はうまいが猫肉は煮ると泡がでて臭くてかなわん言っていた。しかし、大半の日本人は食わない。なんで? かわいそうじゃんとか言う。しかし、かわいい羊や馬をゆえに感謝して食うことはある。
 日本人は鯨を食うと昨今の欧米人は言う。実態を知らないのだ。食ってないと思う。うまいと言う人もいるが、私はなんども上等なのをトライしてもうまいと思わない。まあ、自分に合わないだけかもしれない。いずれにせよ、日本人はそれほど鯨を食わない。食うのはかまわないと思っている。豚と牛となにが違うの? かくして欧米人の一部は発狂したごとく怒る。が、日本人は理由がわからない。たぶん、宗教的な心理の問題だろう。そして、日本人のこの食に対する態度も、なんらかの宗教的な心理によるのだが、いっこうに宗教ではないと思っている。