朝日新聞社説 沖縄県民大会―基地を全国の問題として

 相手のある交渉事をすべてガラス張りにすることはできない相談だろう。しかし、首相は迫る期限に追い立てられ、苦し紛れの対応を繰り返しているようにしか見えない。
 もはや時間は限られている。「県外」への道が開けなければ、当面は沖縄に負担を担ってもらわざるをえなくなってしまう。
 首相は今、全国民に一度きちんと説明すべきである。県外移設にどう取り組んできたのか。安全保障上の要請と基地周辺の住民への配慮との接点を、米国とどう話し合ってきたのか。今後の沖縄負担をどう考えていくのか。
 でないと負担を国民全体で分かち合おうとの提起さえも色あせてしまう。

 朝日新聞はどうお考えですか。 県外移設説得のキャンペーンを張っていただきたいものですが。
 ご参考までに⇒衆議院会議録情報 第140回国会 日米安全保障条約の実施に伴う土地使用等に関する特別委員会 第5号

○野中委員長 この際、本案に対し、鈴木宗男君外五名から、自由民主党新進党民主党社会民主党市民連合及び太陽党の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。甘利明君。
○甘利委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして案文を朗読し、趣旨の説明といたします。
    日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行に当たり、沖縄に米軍基地が極度に集中している実態と沖縄県民のおもいを踏まえ、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
 一 沖縄に関する特別行動委員会(SACO)における合意事項の推進に当たっては、着実かつ迅速な実施を確保するため、最大限の努力を払うこと。また、最重要課題のひとつとして米軍基地の整理・統合・縮小等の沖縄に関連する問題に引き続き全力で取り組むこと。
 二 日米安保条約の義務を我が国全体で果たすべく、沖縄への過重な負担の軽減を図るよう、最大限の努力を払うこと。
 三 アジア情勢の安定のための外交努力を行うとともに、米軍の兵力構成を含む軍事態勢について、継続的に米国政府と協議すること。
 四 在日米軍の演習、直轄工事に対しては、国内法令の趣旨を尊重し、人権の保護並びに自然環境の保全のため、なお一層努力するよう申し入れること。
 五 沖縄が基地依存型経済から脱却することを目指し、沖縄政策協議会で集約しつつある振興策を着実に推進すること。
 六 在沖縄米軍基地の整理・統合・縮小、返還給付金の支給期間の検討を含む返還跡地の有効利用の促進、沖縄米軍基地所在市町村に関する懇談会の提言、沖縄振興策等の実施に当たっては、予算措置に特段の配慮を講ずること。
以上であります。
 何とぞ御賛成賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)
○野中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○野中委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することといたしました。
 この際、久間防衛庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。久間防衛庁長官
○久間国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、政府といたしまして
も、沖縄に米軍基地が過度に集中している実態と沖縄県民の思いに心をいたし、御指摘の六項目の御趣旨を踏まえまして、適切に、全力で対応してまいりたいと存じます。

 参院でも⇒参議院会議録情報 第140回国会 本会議 第19号

○鈴木正孝君 私は、平成会を代表いたしまして、ただいま議題となりました駐留軍用地特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、原案賛成、修正案反対の討論をいたします。
 日米安保条約は、我が国の安全保障の根幹であり、その重要性については国民のひとしく理解しているところであります。そして、米軍の駐留は、我が国の安全保障のみならず、アジア太平洋地域の平和と安定のためにも必要不可欠であります。そのため、駐留米軍の基地用地を確保することは、我が国と米国との同盟関係の信義の上からもさることながら、東アジア全体のためにも極めて重要な事柄であります。このような駐留米軍の基地用地が法に基づいて確保されないということは、法治国家として甚だ遺憾なことであるとともに、我が国の国際的な信用を揺るがす大問題であると考える次第であります。
(中略)
 最後に、委員会審議におきまして「沖縄の心」という言葉がしばしば出てまいりました。もとよりこの法律案は沖縄のみの特別立法ではありませんが、この法律により沖縄の方々には多くの御苦労をさらにおかけすることもまた厳然たる事実であります。さきの大戦での言葉に尽くすことのできない大きな被害、その後二十七年間、米国の施政下にあったこと、現在でも沖縄本島の約二〇%が米軍基地であり、これが日本にある米軍基地の約七五%に当たることを考えるにつけ、我々国会にある者は、こうした沖縄の御苦労に少しでもこたえる施策を進めるよう努力しなければならないと思いを新たにいたすわけであります。
 今や、多くの言葉ではなく、着実かつ確実な行動が求められているのであります。
 沖縄県民の負担を全国民が担うという大きな考え方のもとに、政府は現在、県道一〇四号線越えの米軍射撃訓練の本土移転を推進しようとしております。これはぜひとも一日も早く実現しなければならない事柄と考えますが、また、それぞれの受け入れが検討されている地元住民の御理解と御協力を得るために、政府には最大限の努力をお願いいたしたいと思います。さらには、果断な制度改革を伴う沖縄振興策の推進といった多くのなすべきことを、速やかにそして着実に行うことを強く求めまして、私の討論を終わります。(拍手)

 ちなみに。
 もともと普天間飛行場海兵隊朝鮮戦争時に山梨と岐阜から日本ではないということで米軍統治下の沖縄に移転したもので、日本が本土復帰したのだから、当面もとに戻すとか。