曇り

 曇りとはいえだいぶ暖かい。春なのだと思う。夕暮れの買い物の風景がどことなく懐かしい。子供のころ生きるのがつらくて、青春は挫折ばかりで(その反面の高慢であって)、むちゃなことをしてでもそれが活路であったりして、もう人生は終わりだなと思ったがなんとか10年を生きた。もうこのあたりで終わりかもなと沈む。栗本真一郎先生はご健在かなと思う。ご健在のようだ。彼も70歳にならんとしている。彼が自身をもうすぐ死ぬと書いたのは私の年くらいであったろうか。58歳くらいで脳梗塞となり、死をさまよった。しかし、驚くべき生還をした。社会的には(政治的には)それで潰えたかのようだが、むしろ彼が示した偉大さはあの復活だったかもしれない。久しぶりに「シリウスの都」(参照)をぱらぱらと読み返し、これはこれでいいんではないかとも少し思った。学術的ではないだろうが。
 木村拓也という野球コーチが亡くなったという話題を聞いた。お年だからなとなにか勘違いしていた。享年37であったらしい。くも膜下出血とのことだ。この年代の女性に多いが、男性にもある。即死でもなかったようだが、死は一瞬であっただろう。残された人の悲しみは大きい。