ダルフール危機、赤旗の報道はややミスリーディングかな

 ⇒ダルフール支援の国際会議/エジプト・トルコが共催

 【カイロ=松本眞志】スーダンダルフール問題解決をめざす国際支援国会議が21日、エジプトの首都カイロで開かれました。採択された「最終宣言」は、20億ドル(約1860億円)の支援目標に対して8億4100万ドル(約782億円)の申し出があったとし、世界各国にダルフール支援の継続を訴えました。
 会議はエジプトとトルコが共催し、イスラム諸国会議機構(OIC)が後援。OIC加盟国や欧米日など51カ国、約50の国際組織・団体が参加しました。
 会議の冒頭で演説したエジプトのアブルゲイト外相は、スーダン政府と地域の主要反政府組織「正義と平等運動(JEM)」による今年2月の停戦合意を評価。次の目標として「ダルフール住民の生活向上のための活動」を呼び掛けました。トルコのダウトオール外相も各国が問題解決の責務を負うべきだとし、トルコが国連やアフリカ連合(AU)の努力に全面協力すると約束しました。
 アラブ連盟のムーサ事務局長は、同連盟が早くから域内避難民の帰還事業を軸に活動し、95カ所の村、79カ所の保健所、75カ所の給水所の再建に努めてきたことを紹介。スーダンの将来の安定と平和のために、4月に予定された大統領選挙や、南部地域の北部からの独立を問う来年の住民投票を支援するよう要請しました。
 「最終宣言」は8億4100万ドルの支援を域内の利水、農業、生活道路、住宅建設、保健・教育、女性の地位向上に活用するとしています

 いちおう「最終宣言」と括弧付けにしているのは、内情を知ってのことだと思うので、であれば、停戦合意の現状も記すべき。
 ⇒ダルフール復興支援会議 770億円拠出へ :日本経済新聞

 ダルフール紛争を巡っては主要反政府勢力の「正義と平等運動(JEM)」と政府が2月に、即時停戦を含めた和平への枠組みで合意した。3月15日までに最終的な和平合意を目指すとしていたが、協議は難航。反政府勢力の「スーダン解放軍(SLA)」などは停戦に応じていない。

 ⇒ダルフール支援、拠出額は目標の3分の1 : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

2月には、主要な反政府武装勢力「正義と平等運動(JEM)」と政府が和平に関する枠組み合意に調印したが、3月15日の期限までに最終合意には至らず、交渉は継続中。和平協議に消極的な勢力もあり、和平の行方は不透明だ。

 SLA自体の動きはそれほど大きな問題ではないだろうと思うが、問題は、この時点で「最終宣言」に向かう政治的な評価の部分。おおむね方向性としては評価すべきだけど、これでその流れで進むとは現状では言い難い。