朝日新聞社説 新型インフル―次の流行に経験を生かそう : asahi.com(朝日新聞社)

 これまでの国内の死者は200人弱。国際的に見て極めて少ない。
 早い診断と治療で重症化を防いだことが大きいとみられる。地域の内科医や小児科医が夜遅くまで診療所を開けて患者に対応するなど、現場の医師や医療機関の献身的な努力のたまものだ。

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 アメリカの疾病対策センターは、「新型インフルエンザにかかっても、高リスク患者以外はタミフルの投与の必要なし」との方針を打ち出した。これに対し日本の感染症学会は、「感染が確定していなくても、早い段階からタミフルの投与を行って重症化を防ぐべき」という、全く逆の提言を行っている。
 その結果はどうか。二〇〇九年十一月中旬現在、日本の患者総数は七百四十萬人ほどと見られるが、死者は疑い例を含めて五十三人に抑えこむことに成功している。これに対して、アメリカでは二千二百万人の患者に対し、死亡例が四千人に迫る勢いとなっている。もちろん、これには医療機関体制など多くの要因が絡むから、この数字だけはタミフルの効果を語るわけにはいかない。しかし死亡率にして二十五倍という差は大きく、タミフルの早期投与という作戦が功を奏している可能性は高い。