読売新聞社説 地球温暖化 不信を広げる研究者の姿勢 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 おや今頃クライメートゲート事件を扱うのか、と驚き。

 その騒ぎの最中、地球温暖化対策の基礎となるこの報告書に、科学的根拠の怪しい記述や間違いが指摘された。「ヒマラヤの氷河は2035年までに解けてなくなる可能性が非常に高い」との記述はその例で、根拠がなかった。

 これについてはIPCCの科学方法論に問題があるというほどの問題ではないだろう。ただ、団体の運営としては問題はあったかなというのは否めない。
 ヒマラヤ氷河は実際には溶けているのだがブラックカーボンの影響が強い。ブラックカーボンは二酸化炭素に比べてて大気滞在時間は少ないが、つまり、落ちてきて氷河を溶かすらしい。また、ブラックカーボンは恒常的に排出されている。
 ⇒クライメイトゲート事件って結局、何?: 極東ブログ
 ⇒黒色炭素(Black Carbon:ブラックカーボン)の地球温暖化効果: 極東ブログ
 観測所問題については、IPCC側というか研究者もまったく考慮してないわけでもないし、統計を補正すれば概ね現状のIPCCの結果と変わらないとは思うが、いちおう小さな、日本では報道されてなさそうな話題として、これ。
 ⇒地球温暖化防止には気象観測所を増やしたらどうかという間違った提言について: 極東ブログ
 科学というのは、社会に関わる部分では大抵は複雑系の問題なので、難しいものになる。その意味では、市民の科学認識が単純なテーゼに還元されているときは、それ自体危うい。