4日、動向推定
石川容疑者は起訴⇒NHKニュース 石川衆院議員 4日にも起訴へ
大久保隆規容疑者もだいたい落ち⇒大久保隆規容疑者 : 時事ドットコム:大久保秘書、関与ほのめかす供述=石川議員の報告了承か−04年分の虚偽記載
3容疑者はだいたい固まった⇒時事ドットコム:陸山会事件、捜査大詰め=3容疑者、供述ほぼそろう−刑事処分判断へ・東京地検
で、と。
石川衆院議員が起訴となると民主党でも、なんらかの正式対応が必要。現状の民主党を見ていると、対応が遅れすぎ。
問題は、小沢民主党幹事長の動向だが、在宅起訴とかになるかが、不明。やってやれないことはないけど、ここで起訴してしまうと、鹿島を含んだ大きな絵がどうなるのか見えてこない。
このあたり⇒asahi.com(朝日新聞社):小沢流ゼネコン選挙術、名簿15万人分や貢献度ランク - 2010鳩山政権
それと小沢資金源⇒小沢民主党代表元金庫番の葬儀で涙の政権奪取宣言 週刊文春2006年9月21日号「THIS WEEK 政治」
小沢氏在宅起訴にすると、一連のエネルギーは、プシューっと抜けかねないし、検察も詰めを諦めたと見られかねない。
ただ、ここでプシューっとすると、民主党は再起のチャンスを結果的に得る、というか、空中分解かになる。
まあ、私の印象では、今回の事態は大詰めではなく、第二章、くらいで、もう少し長い話になるのではないかな、と思う。
郷原先生近況⇒検察の「暴発」はあるのか(上):日経ビジネスオンライン
昨年9月の政権交代後初めての通常国会をめぐる政局を大きく揺るがしてきたこの問題も、2月4日の石川議員らの勾留満期という大きな節目を迎える。報道されているように、検察が小沢氏の再聴取を見送る方針だとすれば、捜査は最終局面に入ったと言えよう。
再聴取はあった。最終局面でもなさそう。
また、小沢氏の名義である以上定期預金を陸山会の資産として記載する必要もなかった。その場合、小沢氏名義での銀行からの融資金について「小澤一郎 借入金 4億円」と記載するだけでよかったのであり、少なくとも収入については、実際の陸山会の収支報告書と完全に一致していたはずだ。
この認識は微妙。小沢氏自身は、陸山会資産と分離した意識を持っていたし、あのへんてこな契約書(確約書)をひらひらさせてしまった。
異なるのは、土地購入代金の支出が実際には2004年10月に行われているのに、それが2005年1月に行われたように記載されている点だけだ。しかし、土地購入代金の支出の時期の2カ月のズレが、現職の国会議員を政治資金規正法違反で起訴し、公民権停止によって議員を失職させる程の重大な問題とは言えないことは明らかであろう。
石川議員が検察の取り調べに対して、収支報告書に故意に虚偽の記入をしたことを認めたと報じられているが、上記のとおりだとすると、意図的に虚偽の記載を行ったとは考えられない。単なる事務上のミスだという当初の供述の方が事実に近いものと思われる。
石川容疑者が郷原先生くらいクレバーだったらその線もあったけど、落ちてる模様。
結局のところ、この陸山会の不動産購入をめぐる問題が、刑事責任を問う程の重大・悪質な政治資金規正法違反だと言えるのは、不動産購入代金の原資が、小沢氏からの現金による借入金ではなく、マスコミが報じてきた中堅ゼネコン水谷建設からの5000万円の裏献金のような別個の原資によるものであった場合しか考えられない。
そこがすぱっと決まれば、世論も瞬殺だし、郷原先生も限界。
しかし、その水谷建設からの5000万円の裏献金の事実については、供述を行ったとされる水谷建設の元会長の供述の信用性に重大な問題がある。佐藤栄佐久前福島県知事の汚職事件では知事の弟が経営する会社の所有する土地を水谷建設が時価より1億7000万円高く購入することで「1億7000万円」の賄賂を供与したとの事実で現職の知事が逮捕・起訴されたが、控訴審判決では「賄賂額はゼロ」という判断が示された。
しかも、この事件に関して、水谷建設元会長が、捜査段階や一審では、執行猶予欲しさに検察に迎合して事実と異なる供述をしたと佐藤氏の弁護人側に告白したことを弁護人が控訴審の公判の中で明らかにしている。今回の小沢氏側への5000万円の裏献金の供述についても、脱税で実刑判決を受けて受刑中の同元会長が、仮釈放欲しさに検察に迎合して虚偽の供述行った可能性が十分にあり、供述の信用性はかなり低いと言わざるを得ない。
佐藤栄佐久前福島県知事の場合は、郷原先生の見立てもありだと思うが、「供述の信用性はかなり低い」が法理上確定しているか、そこが私にはわからない。無理ではないかな。(あとこのケースは「賄賂」が主軸ではないと思うし。)
水谷建設からの裏献金の事実については、石川議員は一貫して否認していると報じられている。通常、裏金の授受は、その痕跡を残さないように慎重に行われるものであり、授受の当事者の供述の信用性がポイントである。同元会長の供述によって裏献金の事実を立証することは極めて困難だと考えられる。
ここがこの局地戦から全体戦へのつなぎ目で、否認より供述のロジックで否定されることになるだろうが、こうしたロジックで処罰できる射程はそれほどたいしたものではない。一昔前なら微罪の類。
もっとも、報道されていない重要な事実と証拠を特捜部がつかんでいるということであれば話は別であるが、捜査機関とマスコミが一体化したような感のある今回の事件の捜査で、そのような予想外の事実がマスコミに報道されないまま残っているということも考えにくい。
ここが現下最大の謎。
検察側の情報の流れを見ると、情報を制御している感が強く、そしてその制御は、小沢氏側とのコミュニケーションのようにも見えないこともない。なので、全体象はまだおおむね秘されていそう。ただ、決定的な何かがどかんと出るというより、新しい時代の新しいロジックで、小沢氏終了というか、鹿島=小沢システムの終了を目標にはしているのだろう。というか、談合を日本から除去すると日本の司法が断固決めたことの必然的な既決というか必然的な実践であった。
それでもなお、検察が小沢氏の逮捕・在宅起訴等の動きを見せるとすれば、「暴発」に近いものであり、それに対して、民主党政権の側からは、指揮権発動等も検討されることになろう。それによって、日本の政治、社会は大きな混乱に陥り、一種の「内乱」に近い状況になりかねない。
ここは郷原先生らしくないフライングかな。
検察としても別段民主党政権を瓦解させることが目的ではないので、そのあたりの意思疎通ができもんかと模索しているふうではある。