産経社説 【主張】社保庁分限免職 長妻氏は信頼回復を貫け - MSN産経ニュース

 これはよくまとめている。良社説。

 処分者の中には交通違反を起こした者や、年金記録を「のぞき見」した人が特定されず端末を扱うための磁気カードの管理責任を問われたケースもある。確かに戒告といった軽い処分の者まですべて不採用では、「やりすぎ」との同情論も出るだろう。

 そこが問題。ただ、元来民主党政権は、この問題のひねり潰しのために「日本年金機構」潰しをやろうとしていた面もあったが、実際にはできなかった。

 だが、社保庁が廃止・解体されることになったのは、働きぶりが国民の批判を招いたからだ。自公政権が昨年7月、懲戒処分を受けた職員の機構への不採用を閣議決定したのもこのためだ。一度例外を設ければ、なし崩しになりはしまいか。
 機構でなく厚労省への採用となれば、閣議決定には反しない。

 こういうテクニカルな部分がよくわからないといえばわからない。

 長妻氏は、野党時代から社保庁の腐り切った組織体質を批判してきた。大臣就任後も自公政権閣議決定を見直さない考えを示している。いまなすべきは集団訴訟の回避ではなく、国民の信頼回復だ。長妻氏には、国民感覚を忘れず原則を貫いてもらいたい。

 長妻さんもよく持ちこたえているが、厚労省官僚さすがというところか。
 ⇒読む政治:「長妻流」で巻き返し 強権「一匹オオカミ」(その1) - 毎日jp(毎日新聞)

 懲戒処分者の不採用は、自民党政権下の08年に決まった。野党時代から連合と距離を置き、「労組に甘い民主党」との世評とは一線を画すことを狙う長妻氏は、あえて前政権の意向を引き継いだ。
 「ほんまか? 本当に言ったんか?」。10月23日朝、部下から携帯電話で報告を受けた連合の徳永秀昭会長代行(自治労委員長)は耳を疑った。長妻氏が「懲戒処分を受けた者が、今後(年金機構で)記録問題にかかわるのはいかがなものか」と発言したと聞いたためだ。
 11月2日。連合の古賀伸明会長と同じパナソニック労組出身の平野官房長官は、長妻氏を首相官邸に呼び出し、強い口調で問いつめた。「分限免職を受けた者による訴訟も起きているんだぞ」
 柔軟な対応を求める平野氏に、長妻氏は平然と切り返した。
 「それなら、長官の範囲でも雇用が見つかるようにしてください」

 ⇒読む政治:「長妻流」で巻き返し 強権「一匹オオカミ」(その2止) - 毎日jp(毎日新聞)

 昭和20年代の判読不能の記録も交じる手書き原簿の全件照合は事実上不可能とされる。07年の参院選で、当時の安倍晋三首相は「最後のお一人までチェックします」と公約し、墓穴を掘った。
 「安倍の二の舞いにはならない。出口は考えている」。長妻氏は周囲にそう漏らすが、いずれかの段階で「全件」を断念する必要が生じる。その時、国民を納得させることができる保証はどこにもない。

 たぶん無理。