朝日社説 進化論150年―ヒトの未来を見つめ直す

 いわゆる「種の起源」の記念日ということなのだが、要領の得ない作文に思えた。

 ところが、いまだに多くの人が天地創造説を信じ、教育現場でも進化論への反発が強いのが米国だ。科学の復権を掲げたオバマ政権の登場で、進化論の受け入れが進む社会への「チェンジ」も期待したいところだ。

 とかいうが。山本七平の戦記物に、捕虜日本人に米人が一生懸命進化論を教える話がある。日本人は「現人神」とか信じた狂人だからいかんということらしいが、捕虜日本人はきょとんとしている。進化論あたりまえだろワレみたいなもので、むしろそれが米人を困惑させていた。まあ、米国での進化論否定には稚拙なものもあるが、似たような文化齟齬もある。
 あと、いつか書こうと思っていて書いてないが、ダーウィンの進化論が着目されたのは、今世紀の初頭20世紀半ばからであって、実は長らく忘れられていた。また、いわゆる進化論をダーウィンの時代文脈に戻すとまたそれはそれで奇妙なものがある。