日経社説 鳩山政権は堂々と国会論戦に臨め

 会期を11月末までとしたのは2010年度予算の年内編成に全力をあげるためだとされる。しかし、国会審議と予算の年内編成は直接には関係ない。鳩山首相の個人献金偽装問題の追及をかわすために、できるだけ国会を短期で切り上げようとする思惑があるとしたら、論外である。鳩山首相献金問題でも堂々と説明責任を果たしてもらいたい。

 大した罪ではないけど、論外以前の状態が続いている。

 臨時国会国家戦略局の権限などを定める法案が提出されないのも納得がいかない。国家戦略局は廃止された経済財政諮問会議に代わってマクロ経済政策や予算編成の基本方針を策定し、行政刷新会議と並んで民主党政権の「車の両輪」になると期待されていた。

 これはシナリオ通り。菅さんの頭のなかには次の保身があるんじゃないか。

 臨時国会には海上自衛隊のインド洋での給油活動を継続させる法案の提出も見送られる。来年1月で給油活動は打ち切られる見通しだが、鳩山首相岡田克也外相は国際的評価の高い給油活動をなぜ中止するのかについて明確な説明が全くない。給油活動に代わるテロとの戦いへの貢献策の具体案も示されていない。

 率直に言えば、代案はどれもきびしいことになる。

 当初は見送りとみられた北朝鮮に対する船舶検査法案は、臨時国会への提出に向け検討が進んでいる。しかし、船舶検査に海上自衛隊が関与する条項は削除されるという。これで有効に対処できるかどうか詰めた議論が必要である。

 これは国会提出になってよかった。しかし、日経の指摘するどおり骨抜きになるだろう。