朝日社説 東欧MD中止―核交渉の歯車を回そう : asahi.com(朝日新聞社)

 朝日新聞のことだからもっとオバマ賛美のマヌケな社説を書いてくれるものかとふんふんと読み進めたら、そうでもなかった。

オバマ政権は、現行のMD配備計画に代えて、イージス艦に搭載される海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を中心にしたシステムを段階的に配備していく方針だ。新たな計画は「柔軟性」を強調しており、イランの対応を見極めていくつもりなのだろう。

 まあ、そういうこと。対露的なMDの意味合いは薄い。この問題は、対中問題や対イランにすでに含まれているのだが、不安定な弧というか中東問題も潜んでいる。枠組みはそれほど難しい問題でもないので民主党でも識者がいるから日本政府がマヌケというのでもないだろうが、日本のマスコミはなと思っていたが、朝日がそれほどマヌケでもなかったのはよかったというべき。

ロシアは自国の防空ミサイルをイランに売却する動きも見せている。米国が配慮の姿勢をみせた以上、中止するのが当然だろう。

 日本ではあまり報道されていないように思うが、イラン問題はもうすぐ期限切れの9月末になる。そのあたりの背景がある。ロシアもこけたし。あと、ベネズエラとかにロシアが兵器を売り出しているのも、ちょっとなという背景もあるだろう。

そもそも東欧へのMD配備の目的は、イランの核・ミサイル攻撃からの防衛のはずだった。だが、ブッシュ前政権はこれを、北大西洋条約機構NATO)を東に拡大するテコにしようとした。国内の反対を押し切ってMD配備を受け入れたチェコポーランド両国にも、ロシアを牽制(けんせい)する狙いがあったようだ。

 ポーランドは国民も米国にアンビバレンツな感情を持っているので微妙だが、チェコは民衆はこういってなんだが少し醒めている。地政学的な要因もあるだろう。ウクライナグルジアの西側工作(工作といっていいだろうと思うが)の頓挫の影響もあるだろう。ただ、直感的には、オバマがここでヘマこく可能性は高そうだ。