日経春秋 春秋(6/29)

 大手金融機関の企画担当者から、こんな愚痴を聞いた。コスト削減の大号令が下ったが、無用だと分かっていても、どうしても切れない出費がある。調査の委託費や情報料などの名目で、官僚OBが営む複数の「研究所」に払うカネだ。▼その額は年間で数千万円にのぼる。さらに給料こちら持ちで研究員を派遣し、シンポジウムを開くたびに黒塗りの車を用意し、大宴会の経費まで負担させられる。見返りに、ファクスで「取扱注意」「極秘」の印がついた紙が送られてくる。ディープな情報だと言いたげだが、中身は政官界のうわさ話と大差ない。

 コラムとしてはちょっと踏み出した。