朝日社説 安保理決議―強固な結束あってこそ : asahi.com(朝日新聞社)

 3年前の決議は、二つの点で画期的だった。北朝鮮に対する初の決議であり、大量破壊兵器の開発につながる資金や物資の移動を止めるなどの制裁措置を加えたことだ。
 だが残念ながら、制裁の履行は加盟国の判断に委ねられ、現実にはほとんど機能しなかった。

 こうした違いは、先月の弾道ミサイルの発射実験をめぐって、安保理決議とするか、議長声明にとどめるか、という形でも表面化した。
 だが今回、北朝鮮は核とミサイルで国際社会への脅しを強め、「核保有国」への野心を一段とあらわにした。いまこそ各国は違いを乗り越え、核放棄を厳しく迫らなければならない。

 その点で、中国の重要性を改めて指摘したい。北朝鮮の核問題で地域の緊張がこれ以上高まるのは中国にとっても好ましくないだろうし、核不拡散や平和に対して大国としての責任があることも自覚すべきである。

決議が万能薬でないことは、中東和平やイラン問題を見れば明らかだ。だが、今ここでいかに実効性ある内容を決議に盛り込めるか、安保理としての正念場を迎えている。

 自己完結というところかな。
 中国は、多少は色は見せるけど、日本の幻想的な期待には答えないだろう。
 指摘されたのを見たことはないが、朝鮮のナショナリズム幻想には、大セルビア主義のようなものがある。白頭山檀君神話、それと渤海の歴史評価、さらに中国側の東北工作を少し見渡せばわかることだ。白頭山北朝鮮、つまり朝鮮とロシアとの国境を形成しているかに見えるのは、北朝鮮がロシアによって創作された傀儡国家であり、そしてその北朝鮮というフィクションを保持することで「大朝鮮主義」は封印される(さらに Divide et impera.)。それは中露によってメリットでもある。その意味を、日本人の大半はわかっていない。朝鮮を「半島」と呼ぶことの誤認もまたわかってはいないだろう。わかっていないと言えば、今の北朝鮮の体制を擁護することが、北朝鮮で弾圧された人々、されている人々の思いに反していることもわかってはいない。しかし、もう歴史のコマは進み、基本的に他国の問題となりつつある。

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空白の北朝鮮現代史―白頭山を売った金日成 (新潮新書): 金 基燦