異例の説明があまりにど真ん中の想定の範囲ってどうよ的

 ⇒NHKニュース 地検 秘書起訴で異例の説明

 東京地方検察庁は、大久保秘書の起訴について「収支報告書に虚偽を記載して政治資金の実態を偽ることは、国民を欺き、政治的判断をゆがめるものにほかならない」と異例の説明をしました。
 この中で、東京地方検察庁の谷川恒太次席検事は「政治資金規正法は政治資金をめぐる癒着や政治的腐敗を防止するため、収支の公開を通じて政治と金の問題を国民の不断の監視と批判の下に置くことを目的にしている。議会制民主主義の根幹を成すべき法律であり、その中心である収支報告書に虚偽を記載して政治資金の実態を偽ることは、国民を欺きその政治的判断をゆがめるものにほかならない。今回の事件は、ダミー団体の名義を利用する巧妙な方法により、国会議員の政治団体が特定の建設業者から長年にわたって多額の寄付を受けてきた事実を隠したものだ。犯行の動機、犯行の経緯、被告の果たした具体的な役割については、裁判で具体的に明らかにする。今回の事件は、国会議員の政治団体が特定の建設業者から長年にわたり多額の金銭の提供を受けてきたという事実を国民の目から覆い隠したもので、政治資金規正法の趣旨に照らして看過しえない重大・悪質な事案と判断した」と異例の説明をしました。

 この異例の説明がべたにこれと呼応⇒そう - finalventの日記
 つまり⇒小沢代表秘書刑事処分、注目すべき検察の説明:日経ビジネスオンライン

 一般的には、検察は捜査処理について説明責任を負うことはない。起訴した事件については、公判で主張立証を行い、その評価は裁判所の判決に委ねられる。また、不起訴にした事件について不服があれば検察審査会への申し立てという手段が用意されている。
 今回の事件について検察の説明責任が問題になっているのは、政治資金規正法という運用の方法いかんでは重大な政治的影響を及ぼす法令の罰則の適用に関して、不公正な捜査、偏頗な捜査が行われた疑念が生じており、同法についての検察の基本的な運用方針が、同法の基本理念に反するものではないかという疑いが生じているからだ。
 検察は、そのことの重大さ、深刻さを認識し、誠実に、真摯に説明責任を果たすべきだ。その説明が国民に納得できるだけのものでない場合には、不公正で偏頗な捜査が行われた疑いが一層顕在化することになる。検察は、その責任を正面から受け止めなければならない。

 あまりの直球っていうか、間の取り方が最高というか、これは郷原さんと検察の漫談と見られてもしかたないくらいのど真ん中。
 まあ、検察の説明はあるべきなのだが、これも、ぺろっと皮を剥いて言うなら、「不公正な捜査、偏頗な捜査が行われた疑念」はガチと検察も認めたわけですよ。それはそれで良いことだけど。
 で、元記事に戻って。
 「政治資金規正法趣旨に照らして」ということで、これも率直に、法の限界を踏み出したという告白でもあるのだろう。
 ただ、それがようするに国民の理解が得られるかなのだが、これまでの経緯では、当初検察が暴走したほど簡単なことではないでしょう。
 ところでこの谷川恒太次席検事だが、中国共産党的あるいは北朝鮮的序列では第四位らしい。ほいで、実際の会見は公開されないとのことだ。なんだそれ?はさておき、NHKと共同・時事では現状ごく断片的に流れているが、朝日・読売・産経ではみかけないようだが、どういう取材になっているのだろうか。
 
追記
 報道の時間差だった模様。
 ⇒「私の責任重大」と小沢代表、一方で「納得いかぬ」とも : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 一方、大久保容疑者の起訴後、午後4時から記者会見した谷川恒太・東京地検次席検事は、「政治資金の実態を偽ることは、国民の政治判断をゆがめることにほかならない」と言い切った。