朝日社説 耐震偽装判決―建築確認の責任の重さ : asahi.com(朝日新聞社):社説

 だが裁判でわかったのは、理想とはほど遠い実態である。
 愛知県は「法令に適合するかどうかを確認するだけで、設計者の判断を審査する義務はない」と主張した。 だが判決が問うたのは、次のような「常識的判断」の足りなさだ。
 ホテルの1階は強度の強い壁がないピロティ構造だった。阪神大震災でこのタイプの多くのビルがつぶれた。2階から上は、真ん中の廊下を挟んで部屋が向かい合っている。壁が廊下で分断されていれば強度は落ちる。
 いずれも当時の法令ははっきり禁じてはいなかった。しかし「常識」が働けば、問題を見抜けたかもしれない。

 ここだが非常に微妙な問題。別の言い方をすればテクニカルな部分をどう切り分けるかということ。あの時点での法令のあり方もだが、耐震性の計算も多様だったように思える。それらを「常識」に流し込んでよいのか。

 こうした案も検討し、判決が言う危険な建築を造らないための「最後の砦(とりで)」を築き直さねばならない。

 これはR30さんが当時言っていたけど、ファイナンスする人に責務を負わせるというか、あるいはそうしたフィードバック的なシステムがあればよいのかもしれない。つまり、逆選択が働かないような。
 それとこの問題、いわゆる建築の安全性という以上に奇妙な問題を連鎖させたなと思う。