微妙なところかな

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グローバル恐慌―金融暴走時代の果てに (岩波新書): 浜 矩子
 この読者評で。

 バブル経済の破綻に伴う不良債権処理を経験した日本は、世界に何かを教えられるのではないかということについて、著者は「世界が日本から学べる時期は過ぎた」と手厳しい。また「2006年秋ごろから、兆候は見えていたのに・・・・・」というなら、先生、なんでそのとき何らかの警告を世間に発さなかったのか。

 いや浜先生はその時から警告を出していたんですよ。昨年の正月番組だったかBSの世界経済の討論でも強く懸念と警告を出していました。(どうでもいいけど、浜先生はおっかなくて親戚にいたらびびりそうなタイプ。)
 ただ、その警告が当たりなのかというと微妙なんだけど。

 なお、今回の世界不況の遠因が日本の長期にわたるゼロ金利政策量的緩和措置にあるとする見解を述べているが、はてさて・・・・・。

 ここは難しいところ。FTはその説をやや支持しているので国際的な支持層はありそう。高橋洋一は円キャリーに疑問をもっているし、概ねそうなのではないかと思うけど、円キャリーだけの問題ではないし。
 むしろ、日本の円は米国にとってコントローラブルだったのに対して、中国が問題だった。問題というのも微妙なのだけど。
 この関連⇒極東ブログ: 今年の金融危機についてごく些細な印象
 日本ではあまり指摘されているのは見かけないけど、バーナンキ僧正自身が中国のマネーを問題視している。
 ガイトナーの変な動きやオバマの対中国戦略を見ていると、たぶん、裏ではバーナンキはずしの動きもあるのだろうけど、ここは微妙なところ。
 陰謀論に加担したくはないけど、GSと中国の関係がある。
 印象としては、このところの中国からの米国へのぼやきをみると、密約とまではいえないものの、ポールソン禅師やバーナンキ僧正に騙されたというか、なんとかしてくれ感がある。ところが、米国ではガイトナーかよ、と。
 あー、こんなのも。
 ⇒時事ドットコム:中国の対米資産、推計152兆円=全体の72%−シンクタンク報告書

米有力シンクタンク、外交評議会(CFR)は30日までに、2008年11月末時点の中国政府保有の海外資産残高(外貨準備を含む)が推計2兆3440億ドル(約211兆円)に達し、このうち対米資産は同約1兆6940億ドル(約152兆円)と、全体の72%を占めたとする研究報告書を公表した。