朝日社説 米国の新外交―「力」から「賢さ」への転換 : asahi.com(朝日新聞社):社説

 「米国だけでは難題を解決できないし、世界も米国抜きでは解決できない」。オバマ米次期政権の国務長官に指名されたヒラリー・クリントン上院議員が、こんな表現で国際協調主義を語った。

 よくあれだけスキャンダルのネタがありそうなヒラリーが上院をするっと通るものだなとはちょっと思った。

 米国が直面するのは、イラクアフガニスタンでの戦争、テロや大量破壊兵器の脅威だけではない。クリントン氏は、地球温暖化感染症の拡大、途上国の貧困なども列挙した。こうした課題に対応するため、米国は軍事力だけでなく、経済・文化のソフトパワーも組み合わせる「スマート(賢明な)パワー」の外交を目指すという。

 脅威についてはチェイニーがいやな予言をしているが、それはさておき、スマートパワーはアーミテージらの提言ではなかったか。

 その最初の試金石は、中東和平だ。すでに「パレスチナ自治区ガザの惨状にオバマ氏はなぜ声をあげないのか」という不満の声が、イスラム諸国を中心に出ている。侵攻を拡大するイスラエルに圧力をかけ、停戦を実現するには米国が一日も早く公正な仲介者としての立場を取り戻さねばならない。

 執筆子、下院のこと知らないわけもないと思うが。オバマの障害は意外と民主党だと思うよ。

 新政権が日本重視か、中国傾斜かという、ありがちな議論には意味がない。この地域、そしてグローバルな課題に日米基軸で中国をどう巻き込み、協力していくか。その構想を持ってこそ健全な同盟関係が築かれる。

 台湾政策でわかるかな。